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日本の経済成長を抑制する構造的な問題である少子高齢化と人口減少。日本政府はこの問題に立ち向かおうと、一億総活躍社会の実現に向け、様々な施策を展開しています。中でも、最大のチャレンジと位置付けるのが働き方改革です。2019年4月には「働き方改革関連法案」の一部が施行され、大企業から中小企業まで、官民挙げて働き方改革への本格的な取り組みが始まっています。

少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や育児や介護との両立など、働き手のニーズの多様化に直面する中、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっています。働き方改革は、残業時間の短縮や生産性の向上に目が向けられることが多いですが、今後は、ダイバーシティの推進と働きがいの向上に改革のテーマが移ろうとしています。

シスコが日本を含む13カ国の知識労働者300人を対象に行った調査によれば、日本人の約3割が「自分の組織において在宅勤務が認められていない」と答えており、これは各国平均の倍にあたります。決まった時間に決まった場所で仕事をしなくてはいけない状況では、子育て中の人や高齢者、障がい者など、働く時間や環境に制約がある人は、自分のニーズに適さなかったり、現在の日本における職場環境が十分フレキシブルでないため、自分の働き方が受け入れられなかったりすることでしょう。実際に、オフィスが様々な働き方に最適化されていると回答した日本人は11%、遠隔の参加者がいる会議が対面での会議と同じように効果的と回答した日本人は12%にとどまり、いずれも調査対象国中最低でした。また、「最高の人材を引きつけ、維持する職場文化を組織が作り出している」と答えた日本人はわずか11%でした。

様々な人材が能力を最大限に発揮し、競争力向上につなげるには、テレワークの推進が有効な戦略の一つです。柔軟なワークスタイルに対応できることに加え、コミュニケーションとコラボレーションを活性化し、社員のモチベーションを高めることができるからです。

こうした中、2020年の東京オリンピック・パラリンピックへ向けて交通混雑を緩和するためテレワークが注目されていますが、その普及を支援するため、シスコは2019年8月、クラウドベースのウェブ会議「Cisco Webex Meetings」を主催するためのライセンスを、事業の規模に関わらずお客様が導入しやすい料金で提供する特別プランを発表しました。「Cisco Webex Meetings」は、PC、スマートフォン、タブレット、ビデオ会議端末など、様々なデバイスから、オンライン上で音声や映像だけでなくデータやアプリケーションを共有したコミュニケーションが行えるコラボレーションソリューションです。高精細な画像を通して相手の顔を見ながら会話ができるだけでなく、資料の共有や録画、参加者とチャットを行うことができ、対面の会議と同様かそれ以上に効果的、生産的に会議のあり方を変えるのです。

音声によるコミュニケーションはさまざまなビジネスシナリオにおいて、いまも重要な役割を担っています。そこで、シスコは、KDDIの既存の固定電話ベースの音声コミュニケーション基盤と連携を開始し、スマートフォンやパソコンなどスマートデバイスから固定電話による発着信が可能となるクラウド型の電話システム「Cisco Webex Calling」を2019年10月31日より法人のお客さまに提供を開始しました。

テレワークの浸透と並行して、職場のデジタルトランスフォーメーションも欠かせません。ところが、日本全体の企業数の99.7%、従業員数の7割以上を占める中堅中小企業ではIT管理を担う人材やノウハウが不足しているのが現状です。この課題に取り組むため、シスコとリコーは共同で、高い生産性とセキュアな環境を両立するデジタルワークプレイス実現に向けた2つのソリューションを開発しました。リコーの複合機とネットワーク機器を一元管理する「RICOH 共通ステータスダッシュボード for Cisco Meraki」と、ワンボタンでゲストWi-Fiアカウントを発行できる「RICOH ゲストWi-Fiジェネレータ for Cisco Meraki」です。グローバルでの提供を目指し、日本市場においてお客様先での検証を進め、2020年初旬に提供開始予定です。

このような働き方改革は、東京2020に向かって加速することが期待されていますが、日本の経済成長に欠かせない本質的な変革であり、2020年以降も継続して進化していかなくてはなりません。

「次世代デジタル インフラストラクチャと日本の持続的成長との架け橋となる」。

シスコは2020年度の重点戦略として、このビジョンを掲げました。お客様、パートナー様との関係性を深化させるとともに、デジタル化によって国レベルの課題解決に貢献していきたいと考えています。シスコは、2020年そしてそれ以降を見据え、お客様の働き方改革、生産性、柔軟性、多様性の観点から日本の人材開発に貢献するとともに、日本のデジタイゼーションと経済成長に資する「高品質なデジタル ソリューション」を引き続き、提供してまいります。

 

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