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 シスコシステムズ合同会社 代表執行役員社長

デイヴ・ウェスト

季節性インフルエンザの流行と新型コロナウイルス感染症(COVID-19 )の第2波が重なり、公衆衛生の危機が再燃する―。COVID-19はすでに社会に打撃をもたらし、今年の秋から冬にかけて再び大規模な第2波の発生と経済的圧力が高まる可能性があると警告されています。パンデミックの最悪の状況は過ぎたとの一部の専門家やアナリストの声も聞かれ、ビジネス活動も通常にに戻りつつありますが、科学者や保健当局はそれに反対しています。企業、社会にとって、まだ警戒を緩める時ではないのかもしれません。もし COVID-19 の第2波が到来するのであれば、これからの数ヵ月は、デジタル変革への取り組みが、多くの企業の存続をも左右する極めて重要な時期になると確信しています。このため、政府機関とすべての組織は今後数ヵ月、第2波に迅速に備える必要があります。

COVID-19の第1波では、多くの企業が、サプライチェーン、従業員の生産性、個人消費、投資への影響に対して、備えることができませんでした。それには私たちも驚かされました。多くの日本企業は、ビジネスを維持させることはできましたが、テレワークとリモートオペレーションを効果的に取り入れることができた企業は全体の30%に過ぎませんでした。残りの70%の企業は、新しい働き方をサポートする組織文化やリーダーシップ、テクノロジーの導入に苦心し、オフィスへの通勤や休業を余儀なくされました。

お客様の中には、すでに第1波と第2波の合間に、社内外のデジタル化プロセスを改善し、柔軟なワークスタイルをサポートする組織文化を進展させようという動きが出ています。デジタル技術を活用してビジネスや市民サービスを効率よく実現できる企業や社会は、それができない企業や社会に比べ、競争上優位な立場になります。その差はCOVID-19を通じて、ますます拡大していくことになるでしょう。

シスコはこの数カ月の間にセキュアなビデオ会議システムであるCisco Webexを日本の企業や組織に提供する必要性に応え、また、国立情報学研究所(NII)の協力を得て、日本全国の大学、短大、高専向けに遠隔学習の基盤となるサポートプログラムを立ち上げました。学生、教員、企業、行政機関を支援したいとの想いからでした。セキュリティ分野についても、シスコは近い将来に向けて、当社のセキュリティソフトウェアへ多くのアクセスを提供できるようにすることをお約束します。

私たちがいま最も重視しているのは、診察、診断、検査のツールを必要とする医療現場や行政サービスを提供する機関です。医療機関が仮設医療施設を設置する際などに必要となるネットワーク構築を、迅速かつ安全に支援するプログラムも提供し始めています。医療機関はWebexを活用することで、医師と患者さんが地理的に離れている場合でも、リモートでのコミュニケーションや連携ができるようになります。医師は患者さんと対面することなく、診察やセカンドオピニオンを提供できるのです。

COVID-19第1波によって、急速に進展することになった企業や団体のリモートワーク―。予想される第2波の到来までに、企業や公共機関などがテクノロジーを最大限に活用し、ワークスタイルの変革、業務のデジタル化などを実現できるように支援することが、私たちの使命と考えています。

シスコは、リモートワークの大きな課題となるセキュリティ環境や円滑なコミュニケーションを実現するためのテクノロジーのほか、自社のテレワークの実践を通じて長年にわたり培ってきたノウハウやナレッジを数多く蓄積しています。私たちは、様々な業界のお客様がどこからでも安全にビジネスを行い、生産性向上を実現できるよう、最新のデジタルテクノロジーを提供することに努めています。

私たちシスコジャパンは、ソリューションを提供することで、これからも、お客様そして社会のデジタル変革を支援し、日本社会に貢献してまいります。

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