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ニュースサマリー

  • シスコがこれまでに培ってきた AI の経験とこれに対する投資により生成系 AI アシスタント機能を実現
  • 生成系 AI による新たな要約機能をシスコの Webex に搭載し、生産性を向上させ最高の成果を創出できるよう支援
  • シスコの AI アシスタントを利用し、ルールセットの重複を排除することで複雑なポリシーをシンプルにし、セキュリティポスチャの強化が可能

シスコシステムズ合同会社(住所:東京都港区赤坂、代表執行役員社長:中川いち朗、以下 シスコ)は、働き方を刷新する新しい強力な生成系 AI テクノロジーを発表しました。シスコはコラボレーションとセキュリティポートフォリオ全体で大規模言語モデル(LLM)を活用し、組織の人材の生産性向上と簡素化を支援します。

組織は巧妙なサイバー攻撃の脅威からビジネスを保護しつつ、ハイブリッドワーカーに比類ない体験を提供しようと取り組んでいます。シスコの調査レポート、「2023 State of Global Innovation Study(2023 年世界のイノベーションの状況に関する調査)」LINKによると、IT 担当者の 85% が、生成系 AI をビジネスに最も大きな影響を与えうるテクノロジーと位置づけ、対応を進めているとしています。シスコは、生成系 AI がこれらの課題を解決できると考えており、ハイブリッド勤務においてより効率的で安全で生産性の高い働き方を実現することに取り組んでいます。

シスコの Webex に新たに要約機能を搭載
あらゆる仕事上のやり取りがハイブリッドになり、社員や顧客からは最大の成果を上げることのできるコラボレーション体験が求められています。シスコは Webex Suite 内で新たに要約機能を提供し、迅速に情報を把握できるよう支援します。

  • Catch Me Up」機能は、参加できなかった Webex 会議やチャット、アクションアイテムやメンションについて速やかにキャッチアップできる機能です。ユーザがアクセスを許可されているデータセットをもとに、対話型プロンプトが回答を生成します。
  • 会議のまとめをインテリジェントにサマリーやアクションアイテムとして提供することにより、ユーザは、Webex 会議の最も重要な要素を自動生成し、キーポイントを抽出し、アクションアイテムとその担当者を取り込むよう設定することができます。録音を聞いたり書き起こしたテキストをすべて読んだりする必要がないため、会議に参加した人にとっても参加できなかった人にとっても大幅な時間の節約になります。
  • ビデオメッセージングツール、Cisco Vidcast による会議の要約機能は、動画のハイライトやチャプターを生成するもので、視聴者は動画の最も重要な部分に速やかに移動することができます。
  • Webex Contact Centerに会話要約機能を新たに搭載することで、エージェントは顧客とのデジタルチャット履歴の長文テキストを素早く自動的に消化し、通話後のまとめや問題解決を容易にできるようになります。たとえば、ある顧客が人間のエージェントとの通話にエスカレーションされた場合、その顧客はエージェントがすでに内容を把握し、説明を繰り返さなくてもよいと想定しています。チャットサマリーは、問題の内容とセルフサービスを介してすでに提案された解決策の要約を明確にエージェントに提供し、通話後にはその要約をエージェントと顧客の双方に提供します。

セキュリティは「複雑なもの」から「対話できるもの」に
シスコは業務の簡素化、有効性の向上によりセキュリティ担当者を支援する人工知能や機械学習の最先端技術に投資しています。Security Cloud のビジョンをさらに推進するため、シスコはポリシー管理の簡素化、脅威対策強化のための新たな生成系 AI 機能のプレビューを実施しています。

効果的なセキュリティポリシーの策定や管理は極めて複雑となる場合も多く、一方で、サイバー衛生上欠かせない機能でもあります。エラーはほぼ許されず、簡単な編集ですらも、これまでのルールに干渉したり、これを無効にしない形で行うには非常に時間がかかり技術的にも困難です。すべてのシステムでこのような大量の一貫性のない複雑なポリシーを維持することは、攻撃に身をさらす大きなリスクとなります。

この問題に対処するため、Cisco Security Cloud は生成系 AI アシスタントを活用し、セキュリティや IT の担当者が粒度の細かいセキュリティポリシーを策定し、セキュリティ インフラストラクチャの様々な側面にベストな形で導入する方法を評価できるよう支援します。

プレビューでは、シスコのポリシーアシスタントが既存のファイアウォールのポリシーセットを考慮したうえで、Cisco Secure Firewall Management Center 内にルールを導入し簡素化できることを示しました。これは、生成系 AI により Cisco Security Cloud 全体でポリシー管理を刷新できることを示す多くの事例の中で初めてのものです。

機械のスピードと規模でアナリストを支援
セキュリティ業務においては、脅威の検出と対応も、複雑でリスクの高い任務です。ここでは時間が勝負で、アナリストは複雑なシステムを機械規模で速やかに把握する必要があります。

シスコの SOC アシスタントは、適時に適切な判断を行うコンテキストによりセキュリティ オペレーション センターを支援します。SOC アシスタントは包括的な状況分析をアナリストに提供し、すべての Cisco Security Cloud プラットフォーム ソリューションでインテリジェンスを相関させ、潜在的な影響について伝達し、行動を提案します。SOC 担当者が潜在的な脅威に対応する時間が大幅に短縮されます。

SOC アシスタントは 2024 年に投入し、Webex と Security Cloud の新機能は 2023 年末までに提供を開始する予定です。

シスコの生成系 AI に対する考え方
シスコは長年にわたり音声、動画、自然言語理解、アナリティクスに AI を活用し、比類ない体験を Webex ユーザに提供してきました。LLM や生成系 AI の新たな機能によりこれをさらに推し進め、比類ないハイブリッドワークの体験を提供します。Webex Enterprise AI では、マルチモーダル対応、アクセス権限、プライバシー、正確性に関する原則を第一弾として構築しました。これには、各データソースのプライバシーおよびセキュリティルールに基づき個人がアクセスを許可されたデータのみを使用することが含まれます。