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日本のモノづくりにおけるイノベーションを促し、企業のスタートアップや 新サービス創出のためのコミュニティを構築する「Living Lab」

シスコシステムズ(会長兼CEO:ジョン・チェンバーズ、本社:米国カリフォルニア州サンノゼ、以下、シスコ)は本日、Cisco Internet of Everything Innovation Center Tokyo (以下IoE Innovation Center Tokyo)を開設することを発表しました。IoE Innovation Centerはパートナー企業や開発企業が国内外の市場向けに新たなソリューションの可能性を追求していくためのあらゆる設備を備えた「Living Lab」としてシスコが世界各地のイノベーション ハブに開設しているもので、東京で7都市目となります。

IoE Innovation Centerには、特定の業種やお客様を対象としたソリューションの迅速なプロトタイプ作りのためのR&Dラボが設けられます。さらに、パートナー ソリューションの展示を通じてIoEの実践的な使用例を紹介します。

シスコはこれまでに英国 ロンドン、スペイン バルセロナ、ブラジル リオ・デ・ジャネイロ、韓国 ソンド、ドイツ ベルリン、カナダ トロントにIoE Innovation Centerを開設してきました。東京のIoE Innovation Centerには、10年間で2,000万ドルの投資を予定しています。

今回シスコがIoE Innovation Centerを東京に開設する決定を下した背景には、イノベーションと世界のテクノロジー リーダーの1つとしての日本の輝かしい歴史があります。東京には幅広い産業分野にイノベーションの土壌がすでに調っており、IoEによる新産業・新サービスの取り組みをおこなうには最適です。

IoEはインターネットを介したインテリジェントネットワークによって人やプロセス、データやモノを結びつけることによって、官民のあらゆるセクターにかつてない経済価値をもたらします。すでに世界各国で実践に移された61の事例に基づいてシスコのコンサルタントが行った試算によれば、IoEをベースとするソリューションが今後10年間で世界全体にもたらす経済価値は19兆ドル規模に達すると予測されます。このうち日本では、モノづくり分野で2,480億ドル、公共分野で1,090億ドルなど、合わせて8,700億ドルの経済価値が見込まれます。こうしたIoEのもたらす価値を最大限に実現させるには、力強いエコシステムや垂直ソリューションの開発が基盤として不可欠です。IoE Innovation Centerの開設は、新しい垂直ソリューションの開発や検証を支援し、企業の業績拡大や、生活の質の向上に役立てるとともに、日本に新たな雇用を創出する次世代スタートアップ企業の立ち上げに貢献します。

日本では昨年1年間、政府が「世界最先端IT国家創造宣言」を掲げ、各界のリーダーがビジネスやサービス、さらには産業界だけでなく社会環境における生活の質の向上を念頭に、新たなイノベーションの推進に取り組んできました。

Innovation Centerの当初の活動は、公共セクターおよび製造業向けソリューションの中でも、ネットワークのエッジあるいは物理的にデバイスやオペレーションにより近い場所に存在するストレージやコンピュータ性能を活用したソリューションに重点を置きます。クラウドに加えて、フォグコンピューティングと呼ばれるこうしたエッジ部分のインテリジェンスネットワークを構築することが、IoEの可能性を実現させる上では不可欠です。

新しいセンターは、シスコ、業界パートナー、スタートアップ企業、その他イノベーターがアプリケーションと次世代テクノロジーの発想を開発するためのオープン環境を提供します。フォグ ソフトウェア開発企業で、日本企業としてシスコの初めてのグローバルポートフォリオ投資の対象となったsmart-FOAも、IoE Innovation Centerの活動に参加します。

今回、東京でのIoE Innovation Center開設を機に、既存の9社とはさらなる協力体制を強化し、また今後もエコシステム パートナーを通じて革新的なプログラムを展開していきます。

新たに加わった、エコシステム パートナーの株式会社東芝、三井情報株式会社、慶応義塾大学湘南藤沢キャンパスの徳田研究室に以下コメントをいただきました。

株式会社東芝 執行役常務 兼 クラウド&ソリューション社 副社長 兼 統括技師長 兼 ビッグデータ・クラウドテクノロジーセンター センター長
下辻 成佳氏

東芝はCisco Internet of Everything Innovation Center Tokyoの開設を心より歓迎いたします。  東芝は、安心・安全・快適な社会である「Human Smart Community」の実現に向け、「エネルギー」「ヘルスケア」「ストレージ」分野の製品・サービスを、クラウド技術やビッグデータ技術を活用して連携させ、新たな価値の創造を目指しています。今後、クラウド技術とIoT、M2M技術、エッジコンピューティング技術とを融合し様々なデバイス機器に適用し、製造システム、交通・運輸システム、スマートシティ等へ展開していきたいと考えています。  東芝は今後もシスコシステムズとの強固なパートナーシップのもと、安心・安全・快適な社会の実現に努めて参ります。

慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス、環境情報学部教授 
徳田 英幸氏

慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス徳田研では、「IoTとクラウド技術の融合によるスマートシティの構築」といったClouTプロジェクトなどを推進しています。今回のIoE Innovation Center Tokyoの開設は、まさに、これからのスマートコミュニティを実現していく上で、大変重要な拠点になると期待しています。我が国がもっている先端的な技術と参加している様々な組織とのオープンでイノベーティブなコラボレーションが「Smart and Connected Community」の実現を加速していくと確信しています。

三井情報株式会社、代表取締役社長、
齋藤 正記氏

三井情報はシスコシステムズ合同会社 イノベーションセンター開設を心から歓迎いたします。これまで以上に人や物、プロセスから大量にデータが生成される中、大半のデータは未活用のままになっています。その反面、リアルタイムな管理や追跡、時には重要な判断材料として提供される事が求められています。三井情報はシスコシステムズ合同会社と共にイノベーションセンターを活用したIntelligentなEdge Computingに向けた取組を推進いたします。

シスコ、インダストリー ソリューション エグゼクティブ バイス プレジデント兼 チーフ グローバライゼーション オフィサー (CGO)、ウィム・エルフリンク (Wim Elfrink)は、東京センターの開設にあたり、以下の様に述べています。「Internet of Everythingは今後10年間で世界に19兆ドルの経済価値を生み出す可能性があり、日本だけでも8,700億ドルの経済機会が期待されています。産業界や社会におけるデジタル化を推進する上で重要な役割を担っているのがイノベーションであり、テクノロジーやモノづくりの点で長年、世界をけん引してきた東京は、シスコの最新のセンター施設であるCisco Internet of Everything Innovation Centerの拠点として理想的な場所です。さらに、このセンターでの取り組みに東芝や慶応義塾大学徳田研究室、三井情報といった新たなパートナーに参画頂くことになり、大いに期待が高まっています」

関連リソース

Originally Posted at: https://apjc.thecisconetwork.com/site/content/lang/ja/id/10409