– AI技術の活用とサイバーセキュリティ人材育成で連携を強化 –
概要:
- シスコとNICTは、サイバーセキュリティ分野での研究協力を強化するため、2017年に締結した覚書(MOU)を更新し、2025年に再締結しました。
- 新たな覚書では、人材交流、情報共有に加え、AIセキュリティ技術やサイバーセキュリティ開発プログラムを活用した共同研究など、協力領域を拡大しています。
- シスコはNICTのCYNEXやCREATEとの連携を通じて、日本国内のサイバーセキュリティ人材育成と先進技術の普及を支援し、日本のネットワーク保護と未来のイノベーションに貢献していきます。
シスコシステムズ合同会社(本社:東京都港区、社長執行役員:濱田 義之、以下、シスコ)は、米国シスコ(NASDAQ: CSCO)および国立研究開発法人情報通信研究機構*(本部:東京都小金井市、理事長:徳田 英幸、以下、 NICT(エヌアイシーティー))が、サイバーセキュリティに関する多様な研究協力を目的とした研究協力覚書(MOU)を2025年に再締結したことを発表します。今回の覚書は、2017年に締結した既存のMOUを更新したものであり、技術環境の進展を踏まえて、新たな分野での協力関係の拡大を目的としています。
シスコとNICTは、2017年に人材交流、知識の共有、ワークショップの開催、および共同研究の可能性の探求を通じて、世界のコンピューティング環境のセキュリティ強化に向けた共同の取り組みについて研究協力覚書を締結し、両者は政府機関、産業界など社会全体をサイバーセキュリティの多様な脅威から保護するための方策など、幅広い分野での研究連携を進めてきました。しかし、技術環境の進歩・新たなサイバー上の脅威の増加といった情勢の変化に伴い、両者は、現覚書に基づく協力の発展について協議し、現覚書に記載された協力分野に新たな分野を追加することについて合意に至りました。
(写真左から)国立研究開発法人情報通信研究機構 サイバーセキュリティ研究所 研究所長 井上 大介氏、国立研究開発法人情報通信研究機構 理事 矢野 博之氏、シスコシステムズ シニアバイスプレジデント兼グローバルイノベーションオフィサー Guy Diedrich、シスコシステムズ合同会社 社長執行役員 濱田 義之
今回更新された覚書では、従来からの人材交流や情報共有に加えて、以下の取り組みが新たに盛り込まれました。
- 両者の従業員またはスタッフによる相互派遣を含む人材交流
- 最新のサイバーセキュリティの脅威およびインシデント分析を通じた専門知識、情報の交換・共有
- 共同研究機会の探求
- シスコが提供するネットワーキングアカデミーを含むサイバーセキュリティリソース開発プログラムを NICT のサイバーセキュリティネクサス(CYNEX)と共有
- NICT のAI セキュリティ研究センター(CREATE)との間で、AI セキュリティ関連技術に関する共同研究と知見の交換
研究者コミュニティ、民間企業、政府機関が緊密に連携することは、高度化するサイバー攻撃に対応するうえで不可欠です。こうした脅威に対し、迅速かつ柔軟に対応するための情報や知識の共有は、セキュリティ体制のさらなる強化につながります。
シスコは昨年、創立40周年を迎えました。また、約10年前から、戦略的に重要な国々に対して中長期的なコミットメントと投資を行い、各国の政府・産業界らとデジタル化を通じて社会課題の解決や新たなビジネス創出に貢献することを目的とした「Country Digital Acceleration(CDA)」プログラムを推進しています。2019年に日本でこのプログラムを開始して以来、政府や産業界と協力し、新たなビジネス機会を創出し、より包括的で持続可能な未来の実現に寄与しています。
今後も、CYNEXやCREATEといった日本の専門機関との連携を通じて、これからのAI時代に向けて、日本国内におけるサイバーセキュリティの人材育成と先進技術の社会実装を支援し、日本の重要ネットワークと将来のイノベーションに貢献してまいります。
* NICTについて
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT: National Institute of Information and Communications Technology)は、情報通信分野を専門とする日本唯一の公的研究機関です。基礎から応用に至るまで、情報通信技術の研究開発を統合的な視点で推進するとともに、大学、産業界、自治体、国内外の研究機関などと連携し、研究開発成果を広く社会へ還元し、イノベーションを創出しています。とりわけサイバーセキュリティ研究所は、急増かつ巧妙化するサイバー攻撃から日本を守るため、NICTの中立性を最大限に活用し、産学との緊密な連携によりサイバーセキュリティ研究開発の世界的中核拠点を目指しています。サイバー攻撃という社会課題の解決に資する、より能動的・網羅的なサイバー攻撃観測・分析・蓄積・共有技術の研究開発や、サイバーセキュリティの研究開発を加速し、サイバー演習等にも活用できるセキュリティ・テストベッド技術の研究開発に取り組んでいます。
関連資料:
- サイバーセキュリティネクサス(CYNEX)
- AIセキュリティ研究センター(CREATE)
- NICT
- シスコネットワーキングアカデミー
- CDA(Country Digital Acceleration)プログラム (英語)