–金融サービスを支えるデータセンターネットワークの高度なレジリエンスを実現-
概要
- みずほ銀行は、新設したデータセンターネットワークの構築にあたり、シスコのデータセンタースイッチ Cisco Nexusを採用しました。
- ネットワークの基本設計はシスコが担当し、ネットワークのシンプル化を実現することによりネットワークの構築においてパートナー企業への依存を低減。構築コストを削減します。
- Cisco ThousandEyesも採用し、ネットワークをエンドツーエンドで可視化することで、障害発生時の状況把握・一次切り分けを早期化します。
シスコシステムズ合同会社(本社:東京都港区、代表執行役員社長:濱田 義之、以下 シスコ)は、株式会社みずほ銀行(本店:東京都千代田区、取締役頭取:加藤 勝彦、以下 みずほ銀行)が新設したデータセンターネットワークにシスコのデータセンタースイッチ、Cisco Nexusを採用したことを発表します。また、ネットワークの監視を高度化する一環として、Cisco ThousandEyesの採用も決定し、エンドツーエンドのネットワーク監視を非属人化し、高度なレジリエンスを実現します。
みずほ銀行は積極的なデジタル投資を行い、「みずほダイレクト」や「みずほWallet」といったデジタルサービスのさらなる利便性の向上、AI活用によるコンタクトセンターの対応力の向上、最適な金融サービスをお客さまに提案するためのデータ活用など、様々なDXに取り組んでいます。DXのためのシステムから、入出金や資金の決済、口座や融資の残高管理、利息計算など、みずほ銀行の金融事業の根幹を担っている勘定系システムまで、あらゆるITシステムの稼働を根底で支えているのがみずほデータセンターネットワークです。
メインセンターから地理的に離れたエリアに新規データセンターを整備することで広域被災時の事業継続性向上を図ることになりました。そこで、みずほ銀行は、最も重視するネットワークのレジリエンスを大幅に高度化するため、ネットワーク構成のシンプル化及び監視のさらなる強化を目指し、大規模な見直しに取り組みました。
しかし、データセンターネットワークは段階的に拡張してきたため、構築した時代ごとに採用している技術が異なり、ネットワーク構成が複雑化し、一部の有識者への依存を高める状態になっていました。複雑化や有識者への依存度の強さは、日々の運用管理やネットワークの追加・変更などの作業はもちろん、障害発生時の検知・原因の究明や復旧作業の難易度を高め、結果としてレジリエンスを低下させる要因ともなりかねません。さらに、監視についても、ネットワーク機器の死活監視は行いますが、ケーブルの接触不良といった間欠障害、トランザクションの集中などに起因する通信不具合は監視網に引っかからず、原因特定に時間を要していました。
そこでみずほ銀行は、機器台数の削減、採用技術の統一などによりネットワーク構成のシンプル化を図り、有識者への依存度を低減し、運用管理や障害対応を容易にすること、従来のパッシブ監視に加えて、積極的に稼働状況をチェックするアクティブ監視を実装し、通信不具合の状況をできるだけ早期に把握することを検討していました。今回の導入により、レジリエンスをさらに高度化していくために、みずほ銀行のネットワークを熟知し、サポートも信頼するシスコの機器及びソリューションの採用を決定しました。シスコのソリューションを採用したみずほ新データセンターネットワークは、メインセンター、バックアップセンターの両方ですでに稼働を開始しており、シスコがネットワークの基本設計を担当しています。
具体的に、みずほ新データセンターネットワークは、データセンタースイッチ Cisco Nexusの導入によって、ネットワーク構成をシンプル化し、さらにSpine/Leaf トポロジによってシンプル化した物理ネットワーク上でコンピューティングリソースや、ファイアウォール、ロードバランサ、IDS/IPS、ルータなどのサービスリソースを論理的に組み合わせて仮想ネットワークを構築できるCisco ACI (Application Centric Infrastructure)を用い、ネットワークの制御を図りました。それにより、構成がパターン化された小規模ネットワークについては、特定のパートナー企業に依存せず構築可能となり、その結果、構築コストを削減することができました。
また、Cisco ThousandEyesを導入することで、ネットワーク環境全体のエンドツーエンドの可視性を確保できるようになり、これまで現場からの連絡を受けるまで気付くことができなかったトランザクション集中による通信遅延などの不具合を、速やかに特定できるようになりました。
シスコは、みずほ銀行が目指しているネットワークのレジリエンスの更なる高度化にむけて、引き続きご支援してまいります。
コメント
みずほ銀行 IT・システム統括第一部 共通インフラ推進チーム ディレクター 橋本 徹氏
「製品強化のロードマップなど、シスコから様々な情報を共有してもらいながら、次に打つべき施策を検討しています。また、シスコはユーザー会などを通じて、他の企業や人との交流もサポートしてくれています。そのような面でも私たちにとってシスコは欠かせない存在。今後、継続的な支援を期待しています」
参考資料
・【導入事例】データセンターネットワークを刷新したみずほ銀行〜シンプル化と監視の強化で金融を支える高度なレジリエンスを実現〜
・みずほ銀行に仮想化技術Cisco DNA Centerを中心に据えたネットワーク基盤を導入