ニュースサマリー:
- 売上高は、顧客が既存製品の利用を継続する傾向を受け、前年同期比13%減の127億ドルと予想どおりの結果
- 収益率は、GAAPベースの粗利益率が65.1%、Non-GAAPベースの粗利益率が68.3%と堅調
- Splunk買収を契機に、ビジネスモデルの変革が以下のとおりさらに強化
- サブスクリプション総売上高69億ドルのうち、Splunkの売上高が54%を占有
- 総経常利益(ARR)は前年同期比22%増の292億ドル(うち、SplunkのARRは42億ドル)、製品ARRは前年同期比44%増の155億ドルを記録
- Splunkの元CEOであるゲイリー・スティール(Gary Steele)を本日付けで、Go-to-Market担当プレジデントに任命
- 2024年会計年度第3四半期業績:
- 売上高:127億ドル
- 前年同期比13%減
- うちSplunkの売上高は4億1,300万ドル
- 1株当たり利益:46セント(GAAPベース)、88セント(Non-GAAPベース)
- GAAPベースの1株当たり利益は前年同期比41%減(うち、Splunk買収に伴う減少分は9セント)
- Non-GAAPベースの1株当たり利益は前年同期比12%減(うち、Splunk買収に伴う減少分は1セント)
- 2024年会計年度第4四半期ガイダンス:
- 売上高:134億ドル~136億ドル
- 1株当たり利益:46セント~51セント(GAAPベース)、84セント~86セント(Non-GAAPベース)
- 2024年会計年度ガイダンス:
- 売上高:536億ドル~538億ドル
- 1株当たり利益:2ドル46セント~2ドル51セント(GAAPベース)、3ドル69セント~3ドル71セント(Non-GAAPベース)
- 売上高:127億ドル
米国シスコ(本社:米国カリフォルニア州サンノゼ、CEO:チャック・ロビンス、以下:シスコ)は、2024年4月27日を期末とする2024年会計年度第3四半期の業績を発表しました。2024年会計年度第3四半期の売上高は127億ドルでした。また、同四半期の純利益は、一般会計基準(GAAP)ベースで19億ドル(1株当たり46セント)、Non-GAAPベースで36億ドル(1株当たり88セント)でした。
シスコの会長兼CEOであるチャック・ロビンス(Chuck Robbins)は次のように述べています。「変動的な環境が続く中で、第3四半期においても堅実な業績を達成できました。シスコにはネットワーキング、セキュリティ、オブザーバビリティ、データに関するソリューションをまとめて提供できるという独自の強みがあり、シスコはAI時代に向けて比類のないデジタルレジリエンスをお客様に提供することができます。」
シスコのCFOであるスコット・ヘレン(Scott Herren)は次のように述べています。「第3四半期の売上高、粗利益、Non-GAAPベースのEPSは、Splunkの業績込み・抜きの両方で、ガイダンスレンジの上限またはそれ以上となっており、営業レバレッジは良好な状態が続いています。当社の予想どおり、お客様は過去数四半期に出荷された機器を現在使用しており、結果として、今後需要は安定的に推移すると見込んでいます。製品ラインにSplunkが加わったことが成長加速の起爆剤になると期待しています。」
ゲイリー・スティール(Gary Steele)をGo-to-Market担当プレジデントに任命
シスコはゲイリー・スティールをGo-to-Market担当プレジデントに任命しました。スティールは運営手腕の高さで知られており、この新しい役職では、ロビンスCEOと密接に連携してシスコの戦略的計画と目標の設定・実行に取り組んでいきます。統合過程を通じてSplunkチームを引き続きリードしていくことで、シスコへのシームレスな統合を実現します。
シスコの最高顧客およびパートナー責任者であるジェフ・シャリッツ(Jeff Sharritts)がシスコでの輝かしい24年間に終止符を打ち、退職することも発表しました。シャリッツは、引き継ぎがスムーズに進むように7月中旬までシスコに在籍します。
GAAPベース(2024年会計年度第3四半期) |
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2024年会計年度第3四半期 |
2023年会計年度第3四半期 |
対前年同期比 |
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売上高 | 127 億ドル | 146 億ドル | 13%減 |
純利益 | 19 億ドル | 32 億ドル | 41%減 |
希薄化後1株当たり利益(EPS) | 0.46ドル | 0.78ドル | 41%減 |
Splunk買収による2024年会計年度第3四半期業績の押し下げ効果は、GAAPベースのEPSで9セント(買収資金調達コストを含む)でした。
non-GAAPベース(2024年会計年度第3四半期) |
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2024年会計年度第3四半期 |
2023年会計年度第3四半期 |
対前年同期比 |
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純利益 | 36 億ドル | 41 億ドル | 14%減 |
EPS | 0.88ドル | 1.00ドル | 12%減 |
Splunk買収による2024年会計年度第3四半期業績の押し下げ効果は、Non-GAAPベースのEPSで1セント(買収資金調達コストを含む)でした。
シスコ、四半期配当金を増配
シスコは、今四半期の配当金を1株あたり40セントとし、2024年7月5日の業務終了時点で株主名簿に記載のあるすべての株主に対して、2024年7月24日に支払いを行うと発表しました。今後の配当金については、取締役会の承認に基づき決定されます。
2024年会計年度第3四半期決算概要
(特に記載のない限り、相対比率(%)はすべて前年比です)
2024年会計年度第3四半期の特記事項
売上高:2024年会計年度第3四半期の総売上高は、13%減の127億ドルでした(製品売上高19%減、サービス売上高6%増)。シスコは2024年会計年度第3四半期にSplunk Inc.(以下「Splunk」)の買収を完了しました。Splunkの売上高、4億1,300万ドルが当四半期の総売上高に含まれています。
売上高を地域別に見ると、Americas(米国、カナダ、南米)が15%減、EMEA(欧州・中東・アフリカ)が9%減、APJC(アジアパシフィック、日本、中国)が12%減となりました。製品売上高を部門別に見ると、セキュリティが36%増、オブザーバビリティが27%増、ネットワーキングが27%減となりました。コラボレーション部門の売上高は横ばいでした。Splunkを除外したセキュリティとオブザーバビリティの製品売上高の伸び率はそれぞれ3%増、14%増となりました。
粗利益率:GAAPベースの総粗利益率、製品粗利益率、サービス粗利益率は、それぞれ65.1%、63.5%、69.2%となっています。これに対して、2023年会計年度第3四半期の結果はそれぞれ63.4%、62.7%、65.4%でした。
Non-GAAPベースの総粗利益率、製品粗利益率、サービス粗利益率はそれぞれ68.3%、66.9%、71.6%となっています。これに対して、2023年会計年度第3四半期の結果はそれぞれ65.2%、64.5%、67.3%でした。
地域別の総粗利益率は、Americasが67.9%、EMEAが69.6%、APJCが67.4%となっています。
営業経費:GAAPベースの営業経費は15%増の61億ドルで、売上高の47.9%を占めています。Non-GAAPベースの営業経費は5%減の43億ドルで、売上の34.0%を占めています。
営業利益:GAAPベースの営業利益は44%減の22億ドル、営業利益率は17.2%でした。Non-GAAPベースの営業利益は12%減の43億ドル、営業利益率は34.2%でした。
所得税引当金:GAAPベースの税引当率は15.6%、Non-GAAPベースの税引当率は19.0%となりました。
純利益と1株当たり利益:GAAPベースの純利益は19億ドル、1株当たり利益は46セントで、いずれも41%減少しました。Non-GAAPベースの純利益は14%減の36億ドル、1株当たり利益は12%減の88セントでした。
営業活動によるキャッシュフロー:2024年会計年度第3四半期の営業活動によるキャッシュフローは、2023年会計年度第3四半期は52億ドルから24%減の40億ドルでした。
財務上の特記事項
現金及び現金等価資産ならびに投資総額:2023年会計年度末時点で261億ドルに対し、2024年会計年度第3四半期末時点では188億ドルでした。
残存履行義務(RPO):RPOの総額は21%増の388億ドルでした。この金額の52%については、今後12か月かけて売上高に計上されます。製品RPOは29%増、サービスRPOは14%増となっています。
繰延収益:合計繰延収益は13%増の275億ドルとなりました。製品繰延収益は18%増、サービス繰延収益は9%増となりました。
資本配分:2024年会計年度第3四半期、シスコは自社株買戻しと配当金を通して29億ドルを株主の皆様に還元しました。1株当たり40セントの配当金(総額16億ドル)の発表と支払いを行いました。また、株式買戻し計画に基づき、普通株約2,600万株を1株当たり平均49ドル22セントで買い戻しました(買戻し総額13億ドル)。同プログラムでの株式買戻し承認額の残高は約72億ドルとなりました。これらの株式の買い戻しには特に期限は設けられていません。
買収
2024年会計年度第3四半期に完了した買収案件:
- Splunk Inc.:サイバーセキュリティおよびオブザーバビリティ分野の上場企業
- Isovalent, Inc.:クラウド ネイティブ ソリューション分野の非上場企業
ガイダンス
シスコは、2024年会計年度第4四半期の業績について以下のような見通しをたてています。
2024年会計年度第4四半期
売上高:前年同期比134億ドル~136億ドル
Non-GAAPベースの粗利益率:66.5%~67.5%
Non-GAAPベースの営業利益率:31.5%~32.5%
Non-GAAPベースの1株当たり利益:84セント~86セント
シスコの2024年会計年度第4四半期ガイダンスには、Splunkの次の業績が含まれています。売上高:9億5,000万ドル~10億ドル、Non-GAAPベースEPSの約3セントの押し下げ効果(買収資金の調達による金利負担が営業メリットを上回ると予想されるため)。
2024年会計年度第4四半期のGAAPベースの1株当たり利益は、46~51セントになる見込みです。
シスコは、2024年会計年度の業績について以下のような見通しを立てています。
2024年会計年度
売上高:536億ドル~538億ドル
Non-GAAPベースの1株当たり利益:3ドル69セント~3ドル71セント
2024年会計年度のGAAPベースの1株当たり利益は、2ドル46セント~2ドル51セントになる見込みです。
2024年会計年度第4四半期のガイダンスにおいては、GAAPベース及びNon-GAAPベースの業績について、実効税率を約18%と想定しています。2024年会計年度通期のガイダンスにおいては、業績に関する実効税率を約17%(GAAPベース)、約19%(Non-GAAPベース)と想定しています。
**当資料は、2024年5月15日に米国で発表されたニュースリリースの抄訳です。
***財務諸表の参照は以下のWebサイトをご参照下さい。
URL:https://newsroom.cisco.com/c/r/newsroom/en/us/a/y2024/m05/cisco-reports-third-quarter-earnings.html