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シスコと OECD WISE センターが共同で、インクルーシブな社会の醸成やウェルビーイングの向上におけるテクノロジーの役割を把握するためのインタラクティブなナレッジハブを開発へ

概要

  • デジタル変革の急速な進展により、人々が技術の変化をどのように体験しているかについての議論が求められています。
  • テクノロジーは私たちの生活を豊かにする一方、メンタルヘルスや社会的つながりに関する意図しない結果や、情報格差、サイバーセキュリティ脅威、誤情報など、ウェルビーイングに対するリスクも存在します。
  • シスコと OECD WISE センターは、デジタル変革が人々の生活やウェルビーイングの様々な側面に及ぼす影響に関するデータやエビデンスを集約する国際的なナレッジハブを構築します。
  • これにより、世界中の何十億人もの人々の生活にプラスの影響をもたらし、インクルージョンと機会均等を推進し、すべての人がグローバルデジタル経済の中で豊かになれるよう、シスコの取り組みを継続します。

 

テクノロジーが生活を大きく変えつつあり、教育、仕事、コミュニケーション、各種サービスへのアクセスが変化しています。テクノロジーは、アクセスと適切な活用が確保されれば、ウェルビーイングを向上させ、発展に向けた力強い推進力となります。すべての人のインクルーシブな未来の実現に取り組む世界的なテクノロジー企業であるシスコ(本社:米国カリフォルニア州サンノゼ、以下:シスコ)は、情報格差の課題に対する取り組みの一環として、経済協力開発機構(OECD)と協力し、新たな研究を実施します。

この協働は、責任あるテクノロジー活用、そしてグローバルデジタル経済における公平性、インクルージョン、公平なアクセスを推進するものです。

国際対話の糸口に
デジタル変革がこれまで以上に急速に生活のあらゆる側面を変えつつある中、シスコは、ウェルビーイング、インクルージョン、サステナビリティ、機会均等に取り組む OECD WISE センターと協力し、デジタル変革の複雑な性質、その発展の推進力としての役割とウェルビーイングに対する潜在リスクの両方の側面について調査します。

OECD WISE センターのディレクターであるロミーナ・ボアリーニ(Romina Boarini)氏は次のように述べています。
「OECD は、政策決定者がデジタル変革について理解を深め、明るいデジタルの未来を構築するための適切な政策を策定できるよう長年にわたり支援してきました。OECD の新たな報告書『How’s Life in the Digital Age(デジタル時代の幸福)』では、デジタル変革の利点と課題に焦点を当て、アクセスや生産性の向上、日々の生活や職場における情報格差や個人のセキュリティ脅威といった問題について論じています。シスコとの協働により、テクノロジーと生活の相互作用についての私たちの知見をさらに深めるための新たなステップを踏み出し、デジタル領域におけるウェルビーイングに対する理解を拡充します。」

今回の協力では、デジタルテクノロジーが生活の様々な側面にどのような影響を及ぼしているかを詳細に把握するため、体験の共有が可能な双方向の動的で魅力的なデジタルプラットフォームの構築を目指します。OECD Well-being Framework を基盤として開発するこのプラットフォームでは、情報格差、そしてデジタルテクノロジーの導入、活用において見られる不平等の影響など、デジタルウェルビーイング全般に関する新たな統計や人々のインサイトを収集します。

シスコの Country Digital Acceleration プログラムによる戦略的な支援
シスコの OECD WISE センターの取り組みへの参画は、当社の Country Digital Acceleration(CDA) プログラムの一環です。シスコは CDA を通して政府、業界、学術界と長年にわたり協力し、50 ヵ国、1500 件を超えるプロジェクトにより、持続可能で安全でインクルーシブなコミュニティの構築に寄与してきました。

シスコのシニアバイスプレジデント兼グローバル イノベーション オフィサーのガイ・ディードリック(Guy Diedrich)は次のように述べています。
「情報格差は当社だけでは対応できません。政府、業界、教育機関、非営利団体、地域のリーダーが新たな形で力を結集し、集団としてのウェルビーイングを重視し、健全で豊かであり、かつ安全なデジタルライフを実現していく必要があります。このような重点的取り組みと OECD の Well-being Framework が深く共鳴するのは偶然ではありません。この協力体制ではシスコと OECD の双方の専門性により、あらゆる垂直統合モデルや業界におけるリスクを把握し、デジタル化の価値を引き出し、最終的に安全でインクルーシブなコミュニティと弾力性のある経済の実現に寄与します。」

デジタルアクセスは限られた人の特権ではなくすべての人の必需品に
デジタルウェルビーイングに関する既存研究を基盤とするシスコと OECD のパートナーシップにおいて、デジタルテクノロジーには教育や健康関連情報へのアクセスの向上など利点がある一方で、リスクも存在すると認識しています。特に情報格差により、(技術的、情動的、社会的スキルが複合的に関与する)デジタルリテラシーを持たない人が取り残され、メンタルヘルスのリスクや安全上の懸念につながっています。広範なインターネットアクセスだけでは生活におけるデジタル活用には不十分であると考え、新たなパートナーシップでは、テクノロジーによるウェルビーイングの向上と潜在リスクの緩和を両立できるような手法を構築するため、国民、企業、政策決定者、働き手などが団結して取り組むよう呼びかけます。

新たな業界研究とナレッジハブ
シスコと OECD は研究の実施、グローバルナレッジハブの構築により、デジタル変革が生活の様々な側面に与える影響についてデータを収集し、ナレッジを拡充します。この取り組みは、「教育・スキル」、「医療」、「仕事・賃金」、「収入・富裕度」、「主観的なウェルビーイング」、「スマートコミュニティ(ワークライフバランスや社会的つながり)」、「環境サステナビリティ」、「基幹インフラ」、「サイバーセキュリティ」、「ガバナンス・地域貢献」、「住まい」の 11 の主要領域をカバーする、広い意味でのウェルビーイングにおけるテクノロジーの役割を把握するための重要なステップとなります。この研究では、ユーザが情報に基づく判断をできるよう支援し、各個人のデジタル環境における責任ある行動を促し、新興テクノロジーとの健全な関係を推進することを目指します。

シスコのエグゼクティブ バイス プレジデントでチーフ ピープル ポリシー パーパス オフィサー、フラン・カソーダス(Fran Katsoudas)は次のように述べています。
「このパートナーシップにより当社は世界中の人々とつながり、人々がデジタルテクノロジーをどのように体験しているかについて理解を深めることができます。例えば社会とのつながり、仕事、ワークライフバランス、心身の健康に対する影響や、サステナビリティやデジタル変革のスピードに関する感じ方などです。日々の生活におけるテクノロジーの役割を把握するためのモデルを共同で構築することは、シスコのような企業にとって正しい行動であるばかりでなく、すべての人のインクルーシブな未来を実現するという当社のパーパスの基本となります。」

今後の 1 年:ハブの構築とウェルビーイング会合
このパートナーシップでは、「Digital Well-being Hub」を 2024 年後半に立ち上げます。またシスコは 11 月に開催される OECD の World Forum on Well-being に参加します。このワールドフォーラムは、社会変革の文脈において公共部門、民間部門、市民部門の知識やパフォーマンス、協力体制の強化に向け、ウェルビーイング手法の価値について検討する会合です。

関連資料

 

OECD について
OECD は、世界中の人々の個人的自由を保護し、経済的、社会的ウェルビーイングを向上させる政策を推進するため、100 ヵ国以上で活動する国際ポリシーフォーラムです。