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Kevin Wollenweber
ケビン・ヴォーレンヴェーバー(Kevin Wollenweber)
シスコ バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー、エンジニアリング

Sedona SystemsとCisco Crossworkの組み合わせで、完全にモダナイズされたRouted Optical Networkingのためオートメーションを実現

私たちの社会のデジタル化はますます加速しています。それでもなお、何十億という人たちが未だにインターネットに接続できていません。すべての人にとってインクルーシブな未来を構築するためには、インターネットを再設計し、大規模なネットワークを構築、運用するための経済性を根本的に変えなければなりません。

1カ月ほど前、シスコは「Internet for the Future(未来のためのインターネット)」の構築に向けて大幅に機能を強化したRouted Optical Networkingソリューション(RON)を発表しました。これは、シスコの統合型 SDN トランスポートの一部として、IPネットワークと光ネットワークのドメインを統合してネットワークの設計、運用、エンジニアリング、プランニング、マネジメントをさらにシンプルにしようとする新たな試みです。Routed Optical Networksはネットワークの効率性を高め、俊敏性を向上させて新規サービスを実現し、IPと光ネットワークのサービスを単一のネットワークレイヤーに統合することで、運用コストを削減します。

複雑な現状の根源は、これまでの経緯にあります。ビジネスグレードの時分割多重化(TDM)サービスはIP以前に確立されたものでした。採算性の高い既存の光(TDM)ネットワーク上にある分離したレイヤーとして出現したIPネットワークは、別々の担当者によってサイロ化されたままで運用され続けています。最悪の場合、IPと光ネットワークのそれぞれの部門間で、人手によるトラブルチケットで問題解決を図らなければなりません。高速化や大規模化、俊敏性が求められる現在、このようにバラバラなモデルでは、将来に向けた経済的な活力が期待できるかどうかは疑問です。従来のように多層構造を持つ個別のネットワークを利用することは、今では非生産的な冗長性や複雑さを生じさせ、運用コストの増大につながっています。

例えば、病院へ行くとしましょう。1時間待って検査を受け、さらに別の検査を別の診療科で受ける必要があります。そこで次の場所に持っていくように紙を渡されるのですが、指示があいまいだとはじめからやり直しすることになります。医療システムはこのように不便さがいくつも重なることのないよう近代化を進め、業務の改善を図っています。Routed Optical Networkingを導入することによって、通信サービスプロバイダー(CSP)も同様の方法で最適化を図ろうとしています。インターネットのモダナイゼーションのためには、最先端のシリコン、光ネットワーク、システム、ソフトウェアによって運用を自動化する必要があります。

本日、シスコはSedonasys Systems Ltd*買収の意向を発表しました。Sedona SystemsのNetFusionは、マルチベンダー、マルチドメインの自動化やソフトウェア デファインド ネットワーキング(SDN)を可能にする階層制御(HCO)機能における市場リーダーです。HCOは5Gネットワーク スライシング、Routed Optical Networkingやディスアグリゲーションなどの変革を実現するための中枢機能であり、Sedona NetFusionプラットフォームは業界で初めて、ネットワークの完全な抽象化や制御を提供し、CSPがドメイン、ベンダー、レイヤー、ありとあらゆる技術をすべて単一のネットワークとして管理できるようにします。

ユニファイド ビュー

シスコのネットワーク自動化戦略が掲げるのは、「シンプル化」というただ1つの目標です。Sedona NetFusionがCisco Crossworkポートフォリオに加わることで、私たちは最も先進的なネットワーク自動化プラットフォームを提供して、シスコのRouted Optical Networking ソリューション [英語]によってこの目標を実現します。CSPはIPと光のマルチベンダーネットワークを一元化して、リアルタイムでダイナミックかつシームレスに制御できるようになります。サイロ化されたチームやテクノロジーにまたがる扱いにくい手動による操作から、完全に自動化され、単一画面で簡単に管理できる安心なネットワークへと迅速に移行することができます。Cisco Crosswork  [英語]とSedona NetFusionは、ネットワーク全体をリアルタイムで複製し、すべてのネットワークインベントリの展開、接続、およびアクティベーション ステータスに対するあらゆる変更を予測して管理します。事業者はあらかじめ最適化、保証、変更を画面に表示して、必要に応じてコミットすることができます。ネットワークを完全に表示できることで、CSPに以下をはじめとするさまざまなメリットをもたらします。

  • 抽象化されたネットワークを操作が簡単な単一画面で表示
  • 自動化とネットワークの統合によって、管理を簡素化し、クロスドメインの専門知識を不要にすることで、運用の複雑さやコスト(OpEx)を削減
  • サービスルートの最適化、ダイバーシティの自動化、保護やメンテナンスの強化によるサービス停止時間の短縮によって顧客体験を向上
  • 自動化された制御によって高度なKPIをサポートすることで、高品質なサービスレベルアグリーメント(SLA)の保証するCSPの能力大幅に向上

マルチベンダー、マルチドメインサポート

NetFusionはプラットフォームとして、5G、コンバージドIP、オプティカルコア、アクセス、アグリゲーションなど、運用するネットワークドメインからのリアルタイムデータに基づいて、サービスからファイバーに至るまで視認性を提供します。パケットやトランスポート層(レイヤー0からレイヤー3)を自動的に発見し、すべてのレイヤーやドメインを1つにまとめて詳細な分析を行うことで、ネットワーク制御の最適化と自動化を実現します。高度な分析機能により貴重な時間やリソースを節約します。Sedonaのアプリケーションはマルチレイヤー認識、マルチベンダーおよびマルチドメインサポートを備えることで、以下を実現します。

  • ドメイン固有のネットワークデータの取得
  • 単一レイヤー内におけるドメインの接続状況の把握
  • 各レイヤーの相互の接続状況を把握
  • マルチベンダーネットワークを簡単に統合
  • プロアクティブな視覚化、分析および自動化

インターネットの再設計には時間がかかります。大規模ネットワークにおける経常的な運用コストを変革するためには、オペレーションの近代化が非常に重要です。一般的に、設備機器1ドルごとに5ドルの運用コストがかかっており、この状況を変える必要があります。同時に、シスコのCrosswork network automation [英語]とSedona’s NetFusion [英語]は光ネットワークとIPネットワークの統合とモダナイゼーションを実現します。シスコではRouted Optical Networking、Crosswork、Sedonaの持つすべての可能性をお客様と共有し、収益拡大、コスト削減、リスク軽減に役立てられるものと大いに期待しています。

(* Sedonasys Systems, Ltd. はSedona Systemsとしても知られています)

 


* 米国で発表されたブログの内容は、以下をご参照ください。 2021年5月14日

https://blogs.cisco.com/news/364246