概要:
- シスコのエンドツーエンドのソリューションは、AI アプリケーションの開発と活用の安全性を確保し、企業が AI に対する取り組みに自信をもって推進できるよう支援します。
- 既存のセキュリティソリューションでは対応できない、AI ツールの悪用やデータ漏洩、巧妙化する脅威に対する保護を提供します。
- 革新的なソリューションにより、ネットワークの把握と制御を可能にするシスコの比類ない機能を活用し、変化し続ける AI の安全上およびセキュリティ上の懸念を未然に防ぎます。
セキュリティおよびネットワーキング分野のリーダーであるシスコ(NASDAQ: CSCO)は、企業における AI トランスフォーメーションを可能にし、安全性を確保する先駆的なソリューションである Cisco AI Defense を発表しました。AI テクノロジーの進歩に伴い、安全上の懸念やセキュリティの脅威がこれまでにない速さで出現し、既存のセキュリティソリューションでは対応できなくなっています。Cisco AI Defense は、企業が安全な AI アプリケーションを安心して開発、展開できるよう設計されています。
シスコのエグゼクティブ バイス プレジデント兼最高プロダクト責任者のジーツ・パテル(Jeetu Patel)は次のように述べています。
「経営者やテクノロジー部門の責任者は、AI を導入する際に、スピードを優先して安全性を犠牲にすることはできません。競争の激しいダイナミックな環境の中で、勝者を決めるのはスピードです。ネットワークのファブリックに融合された Cisco AI Defense は、AI アプリケーションの開発やアクセスの際にトレードオフなく脅威を検知し防御する独自の機能を組み合わせて提供します」
AI で問題が発生した場合の代償は計り知れません。シスコの 2024 年 AI Readiness Index(AI 成熟度指標)によると、AI による不正な改ざんを検知し、防止する十分な環境が整備されていると思うとした日本における回答者はわずか 16% でした。AI アプリケーションのマルチモデル化、マルチクラウド化に伴い、複雑な新しいセキュリティ課題も出現しています。脆弱性は各モデルやアプリのレベルで発生する可能性がありますが、その責任は開発者、エンドユーザー、ベンダーなど様々な管理者が負っています。企業がパブリックデータだけでなく、専有データによるモデルのトレーニングを始めていることで、リスクは高まる一方となっています。
企業が AI のトランスフォーメーションと普及を進めていくためには、すべてのユーザー、すべてのアプリケーションを保護する安全性およびセキュリティの共通レイヤが必要です。AI Defense は、次の 2 つの喫緊のリスクに対応し、企業の AI トランスフォーメーションを可能にします。
安全な AI アプリケーションの開発と展開:AI が普及するのに伴い、何百、場合によっては何千もの AI アプリケーションを使用し、開発するようになります。開発者は、すべてのアプリケーションで AI のセキュリティおよび安全性を確保できるガードレールが必要となります。AI Defense は、プラットフォーム全体で AI システムを攻撃から保護し、モデルの動作の安全性を確保することで、開発者が迅速に行動し、より大きな価値を実現できるよう支援します。AI Defense の主な機能は以下のとおりです。
- AI の検出:セキュリティ部門は、アプリケーションを構築しているのは誰か、どのようなデータがトレーニングに使用されているかを把握する必要があります。AI Defense は、パブリッククラウドおよびプライベートクラウド全体でシャドー AI アプリケーションや承認済み AI アプリケーションを検出します。
- モデル検証:モデルのチューニングは、危険で予想外の結果につながる可能性があります。自動化されたテストにより、何百もの潜在的な安全性とセキュリティの問題について AI モデルをチェックします。AI主導のアルゴリズムによるレッドチームが潜在的な脆弱性を特定し、セキュリティ部門が使用する AI Defense のガードレールを推奨します。
- ランタイムセキュリティ:継続した検証により、プロンプトインジェクション、サービス拒否(DoS)、機密データ漏洩などの潜在的な安全性とセキュリティの脅威を継続的に防御します。
AI アプリケーションへのアクセスのセキュリティ確保:エンドユーザーが生産性を向上させるために要約ツールなどの AI アプリケーションの導入を加速させるなか、セキュリティ部門はデータ漏洩や専有データの不正アクセスを防止する必要があります。AI Defense は、セキュリティ部門に以下を支援します。
- 可視性:社員が利用するシャドー AI アプリと承認済み AI アプリに包括的なビューを提供します。
- アクセス制御:社員が、承認されていない AI ツールにアクセスすることを制限するポリシーを導入します。
- データ保護および脅威の防御:コンプライアンスを確保しながら、脅威や機密データの損失を継続的に防御します。
個々の AI モデルに組み込まれている安全のガードレールとは異なり、シスコはマルチモデル環境において一貫した制御が可能です。AI Defense は、シスコ独自の機械学習モデルを活用して自己最適化し、Cisco Talos からの脅威インテリジェンスデータに基づいて、進化し続ける AI の安全性とセキュリティ上の懸念を検出します。AI Defense を使用しているSplunkの顧客は、エコシステム全体からの追加コンテキストを含む充実したアラートを受け取ることができます。AI Defense は、既存のデータフローとシームレスに統合され、比類ない可視性と制御機能を実現し、シスコの 統合されたAI主導のクロスドメイン セキュリティ プラットフォームである Security Cloud に組み込まれます。シスコの広範なエンフォースメントポイントのメッシュを活用し、シスコのみが提供できる最適化された方法で、ネットワークレベルで AI セキュリティを実行します。エンタープライズ AI アプリケーションを保護するためには、正確性と信頼性が不可欠であり、シスコは MITRE、OWASP、NIST などの AI セキュリティの業界水準策定の取り組みに積極的に関与しています。
World Wide Technology の AI およびサイバーイノベーション担当グローバル責任者の Kent Noyes 氏は次のように述べています。「企業は AI の採用により従来のサイバーセキュリティ ソリューションでは対応できない新たなリスクに直面しています。Cisco AI Defense は AI セキュリティを大きく前進させるものであり、企業の AI 資産に対する完全な可視性と変化する脅威に対する防御を実現します」
AI Defense は、Cisco Hypershield などシスコの AI による革新的なセキュリティソリューションに新たに加わるものです。企業が AI トランスフォーメーションを安全に推進できるよう支援する Cisco AI Defense は 3 月に提供開始します。詳しくは、cisco.com/go/ai-defense をご覧ください。
関連資料
- エグゼクティブブログ:Protecting AI so AI Can Improve the World, Safely(AIが安全に世界を改善できるよう、AIを保護する)
- エグゼクティブブログ:Cisco AI Defense: Comprehensive Security for Enterprise AI Adoption(Cisco AI Defense: 企業のAI導入に向けた包括的なセキュリティ)
- 動画:Cisco AI Defense
- ニュースリリース:急速な市場の進化と期待される影響の中、日本企業のAI成熟度が低下
- シスコAI成熟度指標について(日本語)