シスコの調査により、CEOの間でAI採用が進む一方、知識不足が戦略的判断や成長の妨げとなっていることが明らかに
-CEOの97%がAI導入を計画するも、十分な体制が整っていると考えるのはわずか7% にとどまる。新調査が進捗の障壁と、構想を実現するための課題を解明-
概要
- CEOの5人中4人がAIの可能性を認識している一方で、そのうちの多数が、理解不足が戦略的判断に影響を及ぼし、機会損失や競合他社に後れを取ることを懸念しています。
- 70%以上が、IT知識やネットワーク インフラストラクチャの不足により、競争力を失うことを危惧しており、半数以上がすでにテクノロジーへの投資不足による競争力の損失を経験しています。
- CEOは人材への投資、インフラストラクチャの刷新、サイバーセキュリティの強化により、他社より一歩先を行くことを計画しており、CEOの96%が、AIに対応したネットワークを構築するため、信頼できるパートナーを求めていると回答しています。
ネットワーキングおよびセキュリティ分野のグローバルリーダーであるシスコ(NASDAQ: CSCO)が最新の調査を行い、CEO の間に矛盾が存在していることが明らかになりました。5人中4人が、AI の潜在的なメリットを認識しており、ほぼ全員がAIを業務に取り入れる計画をしている一方で、多くのCEOは、知識の不足により会議室での意思決定を妨げ(74%)、成長を阻害する(58%)ことを懸念し、機会損失や競合他社に後れを取るリスクがあると考えています。しかし、CEOは手をこまねいているわけではありません。ITリーダーや信頼できるパートナーの支援を受け、AIが推進する未来における競争力を高めるために、従業員を育成し、インフラストラクチャを刷新し、サイバーセキュリティを強化する計画を立てています。
シスコの最高プロダクト責任者のジーツ・パテル(Jeetu Patel)は、次のように行動を起こすことの緊急性を強調しています。「競争の激しいダイナミックな環境では、スピードが勝敗を左右します。レジリエンスが高く、将来に備えたネットワークを構築するために、今日決然と行動を起こすリーダーは、AIを先取りし、ビジネスに真の価値をもたらすリーダーとなるでしょう。最終的には、AI を活用する企業とそうでない企業の二極化となるでしょう」
CEO は行動を起こさないことによる損失を懸念
シスコの調査によると、70% 以上の CEO が、IT やインフラストラクチャのギャップにより競合他社に後れを取る結果になり、ビジネスチャンスを逃すことを懸念しています。この懸念はすでに現実の損失につながっています。半数以上(53%)のCEOは、テクノロジーへの投資不足が、競争優位性を失うことを危惧しており、CEO も3分の2はテクノロジーへの投資不足による機会損失を懸念しています。行動を起こさないことによる損失は単なる仮説ではありません。テクノロジーへの投資を行わない場合、CEOは、運用コストの増加、収益の減少、生産性の低下、市場シェアの縮小を予想しています。
大胆に行動するか、後れを取るか
恐れに立ち向かうリーダーには、単なる「追随」を超えた成果が待っています。CEO たちは AI の変革力に注目しており、AIは、効率化の向上(69%)、イノベーションの促進(68%)、競合他社を上回る優位性(54%)をもたらすと考えられています。しかし、その野望を実現するためには、AIの潜在力を実現する上で妨げとなっている障壁、つまりスキル不足、インフラストラクチャのギャップ、セキュリティリスクに対処する必要があります(図 1)。
CEOが大局的な視点に目を向けている一方で、CIOやCTOは説得力のあるビジネスユースケースの欠如など、運用上の課題に直面しています。しかし、CEO はこの課題の優先度を低く見積もる傾向があります。(図1)。この緊張状態は、AIの可能性を認識しているCEOの82%が、長期的な価値を実現するために、短期的には大胆な実験を支援する必要があるという、AIの模索段階を反映しているのかもしれません。
シスコ EMEA 地域担当プレジデントの、オリバー・トゥジック(Oliver Tuszik)は、次のように述べています。「AIの潜在力を引き出し、より迅速なイノベーション、業務の簡素化、デジタルによる混乱に対する耐性を実現できれば、ビジネス全体が革命的に変化するでしょう。しかし、それを1 社で実現することは誰でもできません。だからこそ、CEOの96%が飛躍に向けて信頼できるパートナーが必要だと考えているのです」
CEO の青写真:人材、インフラストラクチャ、サイバーセキュリティ
シスコの調査によると、CEOたちは懸念材料を前向きに捉えるための計画を立てていることが明らかになりました。それは、知識やスキルに投資し、インフラストラクチャをアップグレードし、AI需要に備えたセキュリティを強化です。(図 2)。
この青写真を実現するためには、組織内および信頼できるパートナーシップを通じて、明確なテクノロジーリーダーシップが求められます。CEO は、CTOやCIO のサポートをさらに求めており、CEO の 80% 近くが、CTO や CIO にはビジネスや投資の意思決定を導く上で役割が極めて重要であると考えています。テクノロジーリーダーは、ますますビジネスリーダーとなり、最新のネットワークやテクノロジーを単なるツールではなく、成長、レジリエンス、イノベーションを実現可能にするものとして捉えています。
CEOたちは、専門家の支援がなければ青写真を実現することはできないことを理解しており、96%が、AI 時代に対応したネットワークの構築に向けて信頼できるパートナーを求めていると回答しています。組織内外で大胆なテクノロジーリーダーシップを発揮するCEOたちは、不確実性を解消し、AIの潜在力を具体的な成果に結びつける専門知識を得ることになります。
シスコは、AI 時代に組織が複雑性を克服し、機会を創出できるよう支援し続けます
スキル不足、導入の課題、AI 対応インフラストラクチャ、サイバーセキュリティは、業界問わず IT チームや IT リーダーにとって最大の懸念事項です。シスコが今後発表する内容は、このような課題に対応することを目的としています。AIデータセンターのセキュリティとネットワーキングのギャップを埋めること、サービスプロバイダーに新たな収益を生み出すツールを提供すること、次世代の AIに関する先進の スペシャリスト向けの強化された認定資格を与えることです。
シスコのCEO調査の概要はこちらからダウンロードできます
本調査は、従業員数250人以上のグローバル企業のCEO 2,503 人を対象として、Opinion Matters社 により実施されました(2024年 12月 24日〜 2025 年 1 月 2 日)。また今後数ヵ月以内に、8,065人のネットワーク・リーダーを対象とした関連調査が実施され、AI 時代のネットワークとセキュリティの戦略的および運用上のニーズが探求される予定です。
関連資料:
- 調査レポート:Cisco’s 2025 AI Briefing: CEO Edition – essential insight on CEO fears, ambitions, and action on AI(シスコの 2025 年 AI 概説:CEO 版―AI に関する CEO の懸念、野心、行動に関する重要なインサイト)
- プレスリリース:シスコ、企業の安全な AI トランスフォーメーションを支援する AI Defense を発表
- エグゼクティブ ブログ:Protecting AI so AI can improve the world, safely(AIを保護し、AI が安全に世界を改善できるように)
**当資料は、2025年2月9日に米国で発表されたニュースリリースの抄訳です。https://newsroom.cisco.com/c/r/newsroom/en/us/a/y2025/m02/cisco-study-ceos-embrace-ai-but-knowledge-gaps-threaten-strategic-decisions-and-growth.html