ニュースサマリー
- マネージドサービスを販売するITチャネルパートナーは2023年に力強い成長が見込まれ、最新の調査では世界で2022年の4190億米ドルから12.7 %上昇すると予測されています。
- マネージドサービスは、サイバーセキュリティ関連のサービスや専門技術に対する需要の高まりを受け、IT支出全体の成長を上回る成長が予測されています。チャネルパートナーの半数以上（56%）が、2023年のサイバーセキュリティ関連のマネージドサービスの収益拡大を見込んでいます。
- マネージドサービスのプロバイダーは、ビジネスのニーズや課題に対処できる俊敏でカスタマイズ可能なソリューションにより、企業が新興技術に対応し、IT投資を最適化できるよう支援するユニークな立場にあります。
シスコの委託で Canalys が実施したグローバル調査の結果によると、マネージドサービスに注力する IT チャネルパートナーは2023年に大きな成長が見込まれることが明らかになりました。世界経済の先行きが不透明な中、マネージドサービスは今後の予測では世界で12.7%成長し、総額が4720億米ドルに達することが示されています。これは IT 支出全体の推定成長率 3.5%を上回るものです。
アジア太平洋地域（APAC）のマネージドサービスの売上は現在950億ドルで、14～15％の成長が見込まれています。日本では、2022年にチャネルパートナーが提供したマネージドサービスの収益が目覚ましい伸びを示し、前年比で11.6%増加し、この急増は、合計で158億米ドルに達しました。
主な推進要因 サイバーセキュリティ、専門知識、柔軟な消費モデルへの需要
急速に変化する脅威環境に世界中の組織が対処する中、サイバーセキュリティに対する喫緊のニーズがこの需要の主な要因となっています。この困難な環境に加え、サイバーセキュリティやITの人材が世界的に不足しており、多くの組織がマネージドサービス パートナーの技術的な専門性や支援を求めています。今回の調査の結果によると、チャネルパートナーの56％が、今年のサイバーセキュリティ関連のマネージドサービスからの収益が拡大すると考えています。
シスコのパートナー マネージドサービスおよびアズアサービスセールス担当バイスプレジデントのアレクサンドラ・ザグリー（Alexandra Zagury）は、次のように述べています。「お客様はより多くのテクノロジーを業務に取り入れており、拡大する複雑なテクノロジーニーズに効率的に対処するため、IT パートナーに俊敏性、価値、柔軟な消費モデルを提供してほしいと考えています。マネージドサービスを販売するITパートナーの拡大するエコシステムは、お客様のニーズや課題にカスタムソリューションで対応しています。チャネルパートナーには、明確な事業の成果と優れた体験を提供するマネージドサービスをとおした、さらなる革新と専門性を期待しています。」
世界的な成長
世界的な成長に活気づくマネージドサービスを販売するチャネルパートナーの自信は大きく拡大しています。調査によると、2023年6月の時点で、チャネルパートナーの35%が、今年の自社のマネージドサービス事業が20％以上拡大すると予想しました。これは、2022年の27％から大幅に上昇しており、あらゆる規模の組織がマネージドサービスを早急に強化していることが示されています。
Canalysのシニアアナリストであるロビン・オディ（Robin Ody）氏は次のように述べています。「マネージドサービスは世界のIT業界の適応力と成長の促進剤です。当社の調査では、マネージドサービスを販売する企業の大きな可能性、コロナ後の時代の成功に向けた様々な道が開かれていることが示されています。」
またこの調査では、クラウド基盤管理も主要な成長機会として特定されました。組織は業務のデジタル化、クラウド移行を進めており、プライベートクラウド、パブリッククラウドの双方における複雑なクラウド基盤、さらには分散されたアプリケーションやサービスの課題に直面しています。これがクラウド基盤の管理や専門性に対するニーズの高まりにつながり、チャネルパートナーの55％が同セグメントにおける今年の収益拡大を予測しています。
マネージドサービス プロバイダーの収益拡大は AI などの新興技術や IT 投資によるサステナビリティ施策重視の拡大によっても加速化するものと見られます。調査では、6割近く（59％）のパートナーが、AI にビジネスチャンスがあると見ており、39％はチャンスが「大きい」または「非常に大きい」と回答しています。同様に、57％は、顧客がサステナビリティ関連の製品やソリューションに追加料金を支払う用意があると考えています。
オディ氏は次のように述べています。「マネージドサービスの核心は、企業が技術投資を最大限に生かせるようにすることであり、新技術が登場する中で、マネージドサービスは組織のデジタルビジネス戦略に欠かせないものです。マネージドサービスのパートナーは特定の垂直市場、技術、あるいは地域に特化し、顧客が ITにおける課題を解決し、複雑さを解消して、事業を前進させる成果を生み出すよう支援しています。」
調査では、マネージドサービスを提供するパートナーの2023年の収益が世界的に前年から増加するという予測が示されました。アジア太平洋地域では同セクターは950億米ドルから14％拡大すると見込まれています。欧州、中東、アフリカではマネージドサービス収益は現在の1220億米ドルから最大12％拡大すると予想されます。ラテンアメリカでは115億米ドルから11〜12％の増加が見込まれ、北米では 1906 億米ドルから 10〜12％成長する見込みです。
関連資料：
MSP opportunities and trends by region – an independent study by Canalys, commissioned by Cisco【英語】
［Alexandra Zagouryのブログ］【英語】
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