概要
- 事業全体で強みを発揮し、前年同期比7%増となる128億ドルの売上高を達成。GAAPベースの1株当たり利益は68セント、Non-GAAPベースの1株当たり利益は83セントと、いずれも前年同期比5%の増加となった。
- 製品受注総数は前年同期比10%増と、ここ10年近くでもっとも強い需要を表す結果となった。
- ソフトウェアとサブスクリプション中心のビジネスに転換する勢いが持続:ソフトウェア売上のうちサブスクリプションとしての販売は、第2四半期の76%から81%に増加。
<サマリー>
◇第3四半期売上高:128億ドル
- 前年同期比7%増
◇第3四半期1株当たり利益:68セント(GAAPベース)、83セント(non-GAAPベース)
- GAAPベースの1株当たり利益は前年同期比5%増
- non-GAAPベースの1株当たり利益は前年同期比5%増
◇2021年会計年度第4四半期ガイダンス
- 売上高:前年同期比6~8%増
- 1株当たり利益:64~69セント(GAAPベース)、81~83セント(non-GAAPベース)
2021年5月19日、米カリフォルニア州サンノゼ(SAN JOSE, Calif.)発
米国シスコ(本社:米国カリフォルニア州サンノゼ、CEO:チャック・ロビンス、以下:シスコ)は本日、2021年5月1日を期末とする2021年会計年度第3四半期の業績を発表しました。2021年会計年度第3四半期の売上高は128億ドルでした。また、同四半期の純利益は、一般会計基準(GAAP)ベースでは29億ドル(1株当たり68セント)、non-GAAPベースでは35億ドル(1株当たり83セント)でした。
シスコの会長兼CEOであるチャック・ロビンス(Chuck Robbins)は次のように述べています。
「第3四半期は事業全般にわたって強い需要があり、素晴らしい四半期となりました。お客様がハイブリッドワーク、デジタルトランスフォーメーション、クラウドの採用、および私たちのサブスクリプションベースのオファリングの積極的な適用を加速させるなか、シスコは回復の次なるフェーズをリードする戦略と能力に自信を深めています」
また、シスコのCFOであるスコット・ヘレン(Scott Herren)は次のように話しています。
「好調な受注、および売上高、純利益、1株あたり利益の堅調な伸びに支えられ、ビジネスを着実に実行できました。イノベーションへの投資と、ソフトウェア製品とサブスクリプションの拡大に向けたシフトの加速が、繰延収益と残存履行義務の2桁の伸び、および経常利益の上昇につながっています」
GAAPベース(2021年会計年度第3四半期) | |||
2021年会計年度 第3四半期 |
2020年会計年度 第3四半期 |
対前年同期比 | |
売上高 | 128億ドル | 120億ドル | 7%増 |
純利益 | 29億ドル | 28億ドル | 3%増 |
希薄化後1株当たり利益(EPS) | 68セント | 65セント | 5%増 |
non-GAAPベース(2021年会計年度第3四半期) | |||
2021年会計年度 第3四半期 |
2020年会計年度 第3四半期 |
対前年同期比 | |
純利益 | 35億ドル | 34億ドル | 4%増 |
EPS | 83セント | 79セント | 5%増 |
2020年会計年度第3四半期が13週間であったのに対し、2021年会計年度第3四半期は14週間でした。
2021年会計年度第3四半期決算概要
(特に記載のない限り、相対比率(%)はすべて前年比です)
売上高:2021年会計年度第3四半期の総売上高は、7%増の128億ドルでした(製品売上高6%増、サービス売上高8%増)。売上高を地域別に見ると、Americas(米国、カナダ、南アメリカ)が2%増、EMEA(欧州、中東、アフリカ)が11%増、APJC(アジアパシフィック、日本、中国)が19%増となっています。製品売上高は幅広い伸びをみせ、セキュリティが13%増、インフラストラクチャプラットフォームが6%増、アプリケーションが5%増となりました。
粗利益率:GAAPベースの総粗利益率、製品粗利益率、サービス粗利益率は、それぞれ63.9%、62.6%、67.4%となっています。これに対して、2020年会計年度第3四半期のGAAPベースの粗利益率は、それぞれ64.9%、63.7%、67.7%でした。
non-GAAPベースの総粗利益率、製品粗利益率、サービス粗利益率は、それぞれ66.0%、64.9%、68.7%で、これに対し2020年会計年度第3四半期は66.6%、65.8%、68.9%でした。
地域別の総粗利益率は、Americasが66.5%、EMEAが65.6%、APJCが64.7%となっています。
営業経費:GAAPベースの営業経費は8%増の47億ドルで、売上の36.9%を占めていました。non-GAAPベースの営業経費は9%増の41億ドルで、売上の32.4%を占めていました。
営業利益:GAAPベースの営業利益は1%増の35億ドル、営業利益率は27.1%でした。またnon-GAAPベースの営業利益は3%増の43億ドル、営業利益率は33.6%でした。
所得税引当金:GAAPベースの税引当率は20.3%、non-GAAPベースの税引当率は19.0%でした。
純利益と1株当たり利益:GAAPベースの純利益は3%増の29億ドル、1株当たりの利益は5%増の68セントでした。non-GAAPベースの純利益は4%増の35億ドル、1株当たりの利益は5%増の83セントでした。
営業活動によるキャッシュフロー:2021年会計年度第3四半期の営業活動によるキャッシュフローは8%減の39億ドルで、これに対し、2020年会計年度第3四半期は42億ドルでした。
財務上の特記事項
現金及び現金等価資産ならびに投資総額:現金及び現金等価資産ならびに投資総額は、2021年会計年度第3四半期末時点で236億ドルでした。これに対し、2020年会計年度末時点では294億ドルでした。
繰延収益:繰延収益は、合計12%増の209億ドルでした。製品繰延収益は20%増となっており、これに対し、サービス繰延収益は7%の伸びとなっています。
残存履行義務:2021年会計年度第3四半期末時点で、10%増の281億ドルとなっています。
資本配分:2021年会計年度第3四半期、シスコは自社株買戻しと配当金を通して、21億ドルを株主の皆様に還元しました。1株当たり37セントの配当金(総額16億ドル)を申告し、支払いました。また、株式買戻し計画に基づき、普通株約1,000万株を1株当たり平均48ドル71セントで買い戻しました(買戻し総額5億1,000万ドル)。同計画での株式買戻し承認額の残高は約87億ドルとなりました。これらの株式の買戻しには特に期限は設けられていません。
買収
2021年会計年度第3四半期中に、シスコは以下の買収を完了しました。
- Acacia Communications, Inc. – 工場を持たない半導体会社(上場企業)であり、性能、容量、コスト面の改善を通して通信ネットワークを変革する、高速コヒーレント光相互接続製品の開発、製造、販売を手掛けています。
- IMImobile PLC – クラウド通信のソフトウェアとサービスを手掛ける英国の上場企業。
- Dashbase, Inc. – エンタープライズソフトウェア企業。
2021年会計年度第4四半期に、シスコはオーディエンス インタラクション プラットフォームを提供するSlido s.r.o(株式非公開企業)の買収を完了しました。
2021年会計年度第4四半期の業績予測
シスコは、2021年会計年度第4四半期の業績について以下のような見通しを立てています。
売上高:前年同期比6~8%増
non-GAAPベースの粗利益率:64~65%
non-GAAPベースの営業利益率:32~33%
non-GAAPベースの税引当率:19%
non-GAAPベースの1株当たり利益:81~83セント
2021年会計年度第4四半期のGAAPベースの1株当たり利益は、64~69セントになる見込みです。
2021年会計年度第4四半期のGAAPベースとnon-GAAPベースの業績見通しの差異調整については、「GAAPベース財務指標からnon-GAAPベース財務指標への差異調整」セクションの表「2021年会計年度第4四半期業績見通しのGAAPベースからnon-GAAPベースへの調整」を参照してください。
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**当資料は、2021年5月19日に米国で発表されたニュースリリースの抄訳です。
***財務諸表の参照は以下のWebサイトをご参照下さい。
URL:https://newsroom.cisco.com/press-release-content?type=webcontent&articleId=2161765