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2021年 年頭のご挨拶

日本のインクルーシブな未来のために

2021年1月1日

シスコシステムズ合同会社 代表執行役員社長
デイヴ・ウェスト(Dave West)

2021年の新春を迎え、謹んでお慶びを申し上げます。皆様方のご健勝とご多幸、ご繁栄を心よりお祈り申し上げます

2020年は新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大、それにともなう経済の低迷、東京五輪の開催延期など、かつてない年になりました。

新しい年を迎えるにあたり、今年一年の皆さまのご健康をお祈りしたいと思います。心身の健康は何よりも大切です。健康であってこそ、会社や同僚、家族や友人など、周囲の方たちのために最大限の力を尽くすことができます。今年はまず、自分自身を大切にするところから人や社会に対する貢献に取り組んでいきたいと思います。

2020年に直面した多くの困難を考えると、2021年は社会的に経済的にもより良い展望が期待できます。今後について、私は個人的に楽観的な見方をしています。そして、東京2020を目前に控え、シスコジャパンは日本の経済成長と持続可能な開発目標(SDGs)の実現に貢献していくことを固く決意しています。私たちはそのために尽力していきます。

今年は丑年です。牛は農業においてなくてはならない、人間に重用されてきた動物です。干支の中で牛は勤勉で前向き、誠実さの象徴であり、これはあらゆる人やチーム、企業にとっても高く評価されるべき特質です。

勤勉さ、前向きさ、誠実さはシスコの企業文化の一部であり、シスコがシスコたる所以でもあります。同時に、私たちはお客様やパートナー、社会に有益な影響をもたらすことによって、世界をより良くしたいと考えています。シスコを最も働きがいのある職場のひとつにしているのは、社員の強みを活かしながら、信頼し機会を与えるという文化であると信じています。

フォーチュン誌の「世界で最も働きがいのある会社 (2020 The Fortune World’s Best Workplaces 2020)」は、働きがいのある会社を調査してランキングを発表するものです。この調査でシスコは2年連続で第1位に選出されました。シスコが第1位に選ばれた理由の一端をご説明したいと思います。

COVID-19の感染拡大によって世界中で働き方改革が進み、どこからでも安全に仕事ができることが当たり前になりました。リモートワークが拡大した結果、2020年4月までにCisco Webexのトラフィックは3倍に増加し、インフラストラクチャを構築するチームは数カ月間、これらに対処するために昼夜休みなく作業にあたりました。チームの努力の原動力となったのは、品質と信頼性、お客様志向というシスコの文化です。お客様、パートナーや同僚の期待にお応えしたいという一心からでした。

シスコの会長兼CEOのチャック・ロビンスと経営陣は毎週、世界中の全従業員にオンラインミーティングを実施し、最新の医療情報を提供し、経験に耳を傾け情報を共有し、前向きで社員の気持ちに寄り添ったメッセージを伝えてきました。同時に、人種差別、多様性、メンタルヘルスといったセンシティブな問題にも取り組み続けました。こうしたあらゆる活動によって、シスコは「すべての人にとってインクルーシブな未来をもたらす」という私たち全員の新たな目的を実現しようとしています。日本においても「インクルーシブな日本の未来を実現する」ための取り組みを続けています。

それは非常に高邁で意欲的であると同時に、必要不可欠なことです。この未曾有の危機は社会の明らかな分断を招き、経済の低迷によってさまざまな面での深刻な格差を顕在化しました。私たちが目指す「テクノロジーによって分断から統合へ、テクノロジーによって格差や差別のない社会を実現する」は、この目的を反映したものです。

「インクルーシブな未来」とは「誰もがテクノロジーの恩恵を受けることのできる社会の実現」でもあります。そこでシスコジャパンは、「ニューノーマルへの対応」と「日本のカントリーデジタイゼーション」の2つを2021年度の重点戦略に掲げ、日本のインクルーシブな未来の実現に貢献したいと考えています。

日本ではコロナ禍におけるニューノーマルや、頻発する自然災害への対応から、多くの企業で事業継続のさために、急速にテレワークが採用されてきました。シスコジャパンではこの数年、五輪に備えてお客様の働き方改革を支援するソリューションの提供に力を入れてきました。しかし、コロナ渦により、さまざまな意味で状況が変わってきました。当初はテレワークへの移行を意図していた働き方改革は、今ではオフィスやリモートオフィス、ホームオフィスの間での連携を意味するようになり、業種や職種に関わらず、ビジネスを加速させるにはハイブリッドな戦略が求められるようになっています。こうした新たなワークスタイルにおいては、テクノロジーを活用した作業環境を整え、すべてを受け入れるオープンな文化を推進することがより大きな課題になってきています。それこそが私たちの目指す姿です。

この課題は、日本全国でさらに顕著になりました。コロナ禍において、日本ではさまざまな企業や公的機関がデジタル化の波に乗り遅れており、企業文化あるいはリーダーシップやテクノロジーの問題から、なかなか変革が進まない実情が浮き彫りになりました。シスコは日本におけるデジタル化を支援し、持続可能な経済成長と安心、安全な社会の実現に貢献するための取り組みを続けています。これはシスコだけでできることではなく、行政や通信事業者、さまざまなエコシステムパートナーと連携して実行していくことになります。シスコでは特に、トラベル ツーリズム&トランスポーテーション(TT&T)、デジタルワークプレイス、パブリックセーフティ、インダストリー4.0、デジタルスクール、5Gインフラストラクチャという6つの分野に注力しています。

最後に、世界中で「すべての人にとってインクルーシブな未来」を実現するために、シスコは自ら、全世界の社員が実際にインクルージョンを実践し、先導役にならなければなりません。シスコはすでにその実現に向けて大きく前進しているものの、まだ取り組むべきことが残されていると考えています。丑年において、信頼と勤勉がこれまで以上に重要になるとき、私たちは道のりを歩むことにコミットしています。これからもシスコは、お客様のニューノーマルへの対応と日本のデジタル トランスフォーメーションを強力にご支援していく所存です。このことが日本社会全体への貢献につながることを願っています。