シスコ、OCP 2026 において拡張性とオープン性をさらに強化
– 大規模な分散型 AI ファクトリーの接続・拡張を支える
堅牢でオープンなイーサネット基盤を提供 –
概要:
- シスコと NVIDIA は、保守性とお客様の選択肢を維持しつつ帯域幅密度を高めることを目指し、レーンあたり 400Gb/s に対応する次世代プラガブル光モジュールの設計に向けたオープンな業界仕様を策定する計画を発表
- シスコは、高密度のスケールアウトネットワークと分散型のスケールアクロスネットワークの両方にまたがる AI ワークロードの需要に対応するために、シリコン、システム、光モジュールにおいてオープンなインフラストラクチャを推進
- G300 搭載システムの初出荷、新しい6T G302 シリコン、ハイパースケーラーの本番環境に導入済みの P200 搭載システムにより、Cisco Silicon One ポートフォリオを継続的に拡大し、すべての AI 構築者のニーズに対応
シスコ(NASDAQ: CSCO)は、Open Compute Project (OCP) Global Summit 2026 において、ラックスケールのコンピューティングから分散型の AI キャパシティに至るまでのすべてで、オープンな AI インフラストラクチャを強化する、シリコン、システム、光モジュールの最新のイノベーションを発表しました。これらの発表はいずれも、スーパーインテリジェンス時代においてシスコがお客様の求めるオープン性と選択肢を維持しつつ、一貫性のあるプログラマブルなアーキテクチャとしてネットワークを構築していることを示すものとなっています。これらの新機能によって、ハイパースケーラー、ネオクラウド、企業の AI 基盤の接続に必要な、シリコンから Kubernetes までを網羅するオープンな技術スタックを提供するというシスコの継続的なコミットメントがさらに強化されることになります。AI の計算能力に対する需要が急速に高まる中、市場での幅広い採用はシスコのリーダーシップを裏付けるとともに、お客様の強い信頼を浮き彫りにするものです。
シスコのデータセンター & インターネットインフラストラクチャ担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのケビン・ウォレンウェバー(Kevin Wollenweber)は、次のように述べています。「AI によって、インフラストラクチャを拡張することの意味が再定義されようとしています。もはや個々のデータセンターやクラスターだけの話ではなく、パフォーマンスや耐障害性を損なうことなく、いかにしてコンピューティングを大規模に接続するのかということが重要になっています。シスコは、シリコン、ネットワーキング、光技術、システム、セキュリティのすべてにおいて強みを持ち、AI が進化を続ける中で、お客様が必要とするオープンなインフラストラクチャを提供できる独自の立場にあります」
世界の AI キャパシティをつなぐ「スケールアクロス」技術
「スケールアクロス(Scale-across)」は、協調型の AI ワークロードを複数の施設へと拡張するものです。従来のデータセンター間接続(DCI)技術を基盤としていますが、ワークロード要件は大きく異なります。さまざまな拠点の複数のアクセラレーターが同一の協調処理ジョブに参加する場合、輻輳、遅延、復旧処理などがコンピューティングの使用率や作業の進捗に直接的な影響を及ぼす可能性があります。シスコは、シリコン、ルーティング、光ネットワーキングにおけるリーダーシップを活かして、パケットから光までを 1 つのアーキテクチャでカバーし、これらの要件に対処します。
シスコのスケールアクロスアーキテクチャは、Silicon One P200、ディープバッファを備えたシステム、コヒーレント光技術を集約し、さまざまな拠点の AI ファブリックを接続して 1 つの統合クラスターのように機能させます。こうすることで、Silicon One アーキテクチャの持つパフォーマンス、高度なプログラマビリティ、組み込みセキュリティによって実現する単一の統合コンピューティングファブリックをお客様のもとへ届けます。シスコは、業界で初めて、Silicon One P200 搭載の 51.2T システムが主要なハイパースケーラーの本番環境に導入されたことを発表しました。
Microsoft のエンジニアリング担当コーポレートバイスプレジデントのAnand Ramakrishna氏は次のように述べています。「Microsoft とシスコは長年にわたり、エンジニアリングにおける連携とイノベーションに根ざしたパートナーシップを築いてきました。本日、Cisco Silicon One P200 を搭載したシステムの本番環境での運用を開始したことを発表できることを嬉しく思います。当社のインフラストラクチャへの需要が高まる中、P200 の堅牢なアーキテクチャは、クラウドサービスや高性能サービスの拡大に対応するのに必要なスピードと高度なバッファリング機能をもたらしてくれます。今回のマイルストーンは、両社の長期的な協力関係が次の段階へ進んだことを表しており、新しいデジタル時代に求められるパフォーマンスと信頼性を引き続き提供していくことを確約するものです」
Alibaba Cloud Intelligence Group のバイスプレジデント兼ネットワークインフラストラクチャ部門責任者であるDennis Cai氏は、次のように述べています。「次世代の基幹ネットワークである eCORE の重要なマイルストーンを発表できることを光栄に思います。Alibaba は、Cisco Silicon One P200 を搭載した自社製の Quantum Cat ルーターを大規模に導入しました。これらのルーターは、当社のインフラストラクチャに 51.2Tbps のルーティング性能をもたらします。完全共有型のディープバッファアーキテクチャ、高度なプログラマビリティ、優れた電力効率が備わっており、今日のクラウドや AI の高負荷ワークロードに必要なパフォーマンスと規模を提供します。今回、シスコのシリコンに、Alibaba のカスタムシステムと SONiC オペレーティングシステムを統合しました。この組み合わせはオープンネットワーキングの真価を証明するものであり、世界で最も要求の厳しいネットワークに求められる柔軟性と運用能力が実現することになります。Alibaba は、シスコ、Open Compute Project(OCP)、SONiC コミュニティとの連携をさらに深めていけることを楽しみにしています。引き続き力を合わせて、AI 時代に向けたオープンで高性能なネットワーキングを推進していきます」
1.6T 時代に向けて、ラックからファブリックへと AI を拡張
データセンター内では、AI の規模拡大に伴い、シリコン、システム、光モジュールのすべてで帯域幅、密度、電力効率の向上に対するニーズが高まっています。次世代 AI の極めて高い帯域幅要件に対応すべく、シスコの Silicon One ポートフォリオは、大規模な AI スケールを見据えた次なるレベルのネットワーク性能を提供します。シスコは、OCP の ESUN のメンバーとして、オープン性と相互運用性を兼ね備えた、大規模で高性能な AI ネットワーキングの推進に取り組むとともに、スケールアップワークロードに向けた 1.0 仕様および将来仕様の策定において、ESUN と積極的に協力しています。
2026 年に発表した102.4T Silicon One G300 は、お客様へのサンプル提供を開始しました。また、G300 を搭載した初のシステムについては、現在、お客様に向けて出荷を行っています。シスコはまた、Silicon One ポートフォリオの拡充も進めており、トップオブラック(ToR)構成向けに設計された初の 200G SerDes 搭載 51.2T スイッチングシリコンを発表しました。新しい Silicon One G302 は、51.2T の容量を提供し、シスコの 1.6T 光モジュールとダイレクトチップ液冷システムの統合により、効率化を促進します。G302 は ToR スイッチシステムに搭載するためのものです。同スイッチシステムはラックレベルに配置され、サーバーからのトラフィックを集約して、それらを大規模なデータセンターネットワークに効率的に接続します。これにより、サーバーの接続と統合が最適化され、ハイパースケーラーにおいて、これまでにないフロントエンドの規模、密度、スループットが実現します。G302 は、2026 年末までにお客様への出荷を開始する予定です。
シスコと NVIDIA、新しいプラガブル光モジュールの開発計画を発表
シスコは NVIDIA と共同で、1 レーンあたり 400Gb/s の伝送速度に対応する新しい高密度光モジュール「Ultra-Dense Small Form Factor Pluggable(USFP)」の開発計画を発表しました。光モジュールの帯域幅向上に向けた他のアプローチと異なり、USFP は、実証済みの運用モデルを利用することで、レーンあたりの速度を 400Gb/s まで高めます。USFP は、1 レーンあたり 200Gb/s の光通信技術と比較して、帯域幅密度を 4 倍に、電力効率を 1.3 倍に高めることが見込まれます。これにより、保守性、柔軟な導入、運用の簡便さといった今日のプラガブル光モジュールの特性を損なうことなく、AI ファクトリーの効率性と拡張性を高めることができます。業界による幅広い参画と採用を促進するため、シスコと NVIDIA は、近々始動するコミュニティ主導のマルチソースプロジェクトを通じて、USFP のオープンな業界仕様を策定する予定です。
セキュアな AI ネットワーキングの拡大
SONiC (Software for Open Networking in the Cloud) は、AI 構築者のエコシステム全体において、多くのハイパースケーラーに加え、現在ではネオクラウド、サービスプロバイダー、企業の導入環境でも基盤となっているオープンソースのオペレーティングシステムです。シスコ製品をご利用のお客様は、次世代データセンターアーキテクチャのNexus Oneとあわせて、シスコが検証した SONiC を導入することで、マルチサイトからラックスケールまでの複数の環境においてオープンなアプローチを取り入れることができます。このサポートは、2027 年半ばより、Live Protectによってさらに拡張される予定です。Live Protect は、シスコのランタイム技術を利用することで、サポート対象のシスコの製品やリリースにおいて、脆弱性の公表からパッチ適用までの間に、お客様の多くが脆弱性にさらされるリスクを低減します。Live Protect により、Cisco SONiC をご利用のお客様は、業務を中断することなく、恒久的なソフトウェア修正のテスト・導入にかかる時間を確保できるようになります。
AI の大規模運用における制御と修復
たとえ本番ネットワークが停止した場合でも、ネットワーク運用者はアウトオブバンド管理システムを利用することで、リモートアクセスを開始することができます。これにより、停電やサイバーインシデントの発生時にも、復旧作業を行うことが可能です。しかし、AI スケールにおいて、アウトオブバンド管理システムはレガシーシステム、ツール、独自のインターフェースの寄せ集めになりかねず、その場合、数千基の GPU ノードを管理・修復するのは非常に困難です。Cisco 8001 は、Silicon One A100 を搭載した新しい管理システム(10G か 1G のいずれかを選択可能)であり、パフォーマンスを向上させるとともに、この重要なネットワークに SONiC を導入することでこのような課題を解消します。運用担当者は、管理環境を別途構築・維持する必要はなく、ファブリックからラックまでのすべてにおいて、使い慣れた API、自動化、運用手法を利用できます。このたび、AI インフラストラクチャの拡大に合わせた拡張が可能で、最も必要なときに使用を継続できる、シンプルでプログラマブルな管理ネットワークをお客様に導入していただけるようになりました。
Cisco Silicon One:業界最高の拡張性とプログラマビリティを備えた統合ネットワーキングアーキテクチャ
Cisco Silicon Oneは、業界最高の拡張性とプログラマビリティを備えた統合ネットワーキングアーキテクチャであり、AI、ハイパースケーラー、データセンター、エンタープライズ、サービスプロバイダーといったあらゆるユースケースをカバーする、ネットワーキングデバイスの包括的なポートフォリオを提供します。2019 年に発表された Cisco Silicon One は、世界中の主要なネットワークにおいて重要な役割を担っています。今回の数々のイノベーションを通じて、Silicon One は、単一の統合シリコンアーキテクチャで 100G から 100T までの拡張に対応可能なことを実証しています。
関連資料:
- エグゼクティブブログ投稿:Cisco and NVIDIA Announce USFP: Expanding the Path to AI Connectivity(シスコと NVIDIA、USFP を発表 ― AI コネクティビティへの道を拡大)(英語)
- エグゼクティブブログ投稿:SONiC’s Next Chapter with Cisco: Open Choice, Production Confidence(シスコとともに次章へ進む SONiC ― オープンな選択肢と実運用での信頼性)(英語)
* 当資料は、2026 年 10 月 12 日に米国で発表されたニュースリリースの抄訳です。
https://newsroom.cisco.com/c/r/newsroom/en/us/a/y2026/m10/cisco-advances-scalability-and-openness-at-ocp-2026.html