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ニュースサマリー:

  • シリコン、ルーティングとオプティカル、ネットワーク自動化などにまたがる 5G 時代に向けた「Internet for the Future(未来のためのインターネット)」の構築をリード
  • 大手サービスプロバイダーや Web スケール企業と協力してネットワークの再設計を行い、かつてないほど多くの人々が、インターネットとそこで提供されるすべてのものへとアクセス可能に
  • Acacia のプラガブルオプティクスとシスコのマススケール ルーティングポートフォリオを採用した新しい Routed Optical Networking ソリューションによってインターネットの経済性を変えようとしており、総コストを最大 46%削減

 シスコ(本社:カリフォルニア州サンノゼ、NASDAQ:CSCO、以下シスコ)は本日、世界中の通信サービスプロバイダーと Web スケール企業が、ネットワークの接続、セキュリティの確保、自動化を支援し、地理的な制約にとらわれることなくあらゆる場所の人々に、より強力でよりアクセスしやすいインターネットの提供するための戦略を発表しました。

パンデミックにおいて、人々、企業、政府、コミュニティは世界を動かし続けるためにインターネットの力に頼るようになりました。ほぼすべての人にとってインターネットは、必需品の域を超え、情報につながり、相互につながるための重要なライフラインとなりました。テレワークやオンライン学習を余儀なくされた人々の間で、ビデオ会議が急増しました。遠隔医療サービス、ビデオ ストリーミング、ゲームなどと併せ、インターネット トラフィックは世界各地で 25 ~ 45% も急増しました[1]

これは、5G 時代のトラフィック ボリュームのほんの一部に過ぎず、2023年には293 億台がネットワークに接続すると予想しています[2]。世界中の需要を支えるには、インターネット アーキテクチャに継続的に注意を払う必要があります。インターネットにアクセスできない人がまだ 30 億人います。多くの人が重要な情報、学習、機会にアクセスできないデジタルディバイドが広がり続けています。ネットワーク構築方法の変革が切実に必要とされています。

シスコ、マススケール インフラストラクチャ グループ担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー、ジョナサン・ダビッドソン(Jonathan Davidson)は次のように述べています。「シスコはこの 5 年間、お客様が収益拡大、コスト削減、リスク緩和を図りながら最高のインターネットを提供できるようにする方法に重点を置いてこのイノベーション ポートフォリオを研究し、投資してきました。お客様が現在の自社ネットワークについて正しい判断を下せるようにすることで、私たちは世界を成功に導き、これまで以上に多くの人、場所、モノをつなぐことができるようになります。10年後にこの時点を振り返り、いかに課題に向き合い、インターネットへの対応について、正しいことをなしたかを祝うことができるでしょう」

インターネットの経済性を変える

インターネットを成長させてより多くの地域に拡張するネットワークの構築は、ネットワーク事業者にとって困難なプロセスでした。これに対応するために、シスコは統合型 SDN トランスポートを設計しました。この革新的なブループリントは、サービスプロバイダーが複数のネットワークを大規模でコスト効率の高い、セキュアな共通インフラストラクチャに集約できるように設計されています。

シスコは現在、IPネットワークと光ネットワークの統合を目的としたRouted Optical Networkingソリューションにより、インターネットの構造をさらにシンプルにすることを支援しています。Acacia のプラガブル コヒーレントオプティクス、セグメント ルーティングと EVPN の進化、Cisco Crosswork Cloud 新機能を用いることで、事業者は 5G で想定されるトラフィック レベルに対応できる、効率的で無駄のない、運用しやすいネットワークを構築できます。

未来のためのインターネットを支える新たなイノベーション

シスコは、Airtel、Altibox、Eolo、Facebook、Google Cloud、楽天モバイル、SFR、Telenor、Telia Carrier、Telstra、Websprixをはじめとする先進的通信サービスプロバイダーおよびWebスケール企業と協力し、「Internet for the future」の構成要素を設計し、これまで以上の効率性、俊敏性、コスト削減を実現します。

  • Cisco Silicon One
    シスコは、2019 年に発表したネットワーキング シリコン アーキテクチャの Silicon One™ により、運用効率の向上と 5G 時代のスピードとキャパシティに対応できるように設計された、統一されたプログラマブルなシリコン アーキテクチャをお客様に提供してきました。そしてわずか 15 カ月でシスコは、Cisco Silicon One プラットフォームをルーティングに特化したソリューションから、 Web スケールのスイッチング市場にも対応するものへと拡張し、3.2 Tbps から 25.6 Tbps の 10 種類のネットワーキング チップ(デバイス)を提供します。Cisco Silicon One は、市場で最も高性能なプログラマブル ルーティングおよびスイッチング シリコンを実現しています。
  • 加入者管理
    シスコは、通信事業者のお客様(有線)向けに Cisco Cloud Native Broadband Network Gateway (cnBNG) を発表し、ケーブルおよびモバイル向けの既存のクラウドネイティブ ブロードバンド ルータのシスコ ファミリーに加えます。これは、統一された加入者管理ソリューションへと集約する道を開き、一層のシンプル化と効率化を実現するとともに、サービスプロバイダーが、どこからサービスを利用するかを問わず真にアクセスに依存しないサービスを提供できるようにします。
  • アクセス、アグリゲーション、エッジ、およびコアネットワークを進化させ、より高いパフォーマンスを実現
    • シスコの最新の 8000 ファミリーのルータは、 Cisco Silcon One Q200 シリーズのチップを搭載して最大 14.4 Tbps の総キャパシティを提供し、32 または 64 x 100G の Web スケール スイッチを実現します。
    • Cisco Aggregated Service Router(ASR)9000 シリーズと Network Convergence System(NCS)500 および 5500 シリーズのルータ向けに、強力な新ラインカードとシャーシを発表し、キャパシティの向上と投資/運用コストの削減を実現します。
    • 新しい Crosswork Network Controller(CNC)機能は、Cisco Routed Optical Networking の運用を支援します。
  • Cisco Crosswork Cloud
    Crosswork Cloud は、ネットワークのピアリング ポイント全体を包括的に把握できるTraffic Analysis という新しいアプリケーションを提供します。このインサイトに基づいて Traffic Analysis は、ネットワーク エッジでのトラフィックを最適化し、カスタマー エクスペリエンスへの影響を防ぐための実用的なレコメンデーションを提供します。
  • Cisco Business Critical Services
    Cisco Business Critical Services は、シスコの Routed Optical Networking および Cloud Native Broadband ソリューションへの移行を検討しているお客様がスムーズに移行をできるように支援します。ネットワーク アーキテクチャ設計と導入計画のコンサルティングにより、迅速な導入とリスクの軽減に貢献します。Specialized Expertise Scrum Services と Expert-as-a-Service の新規オプションは、強力なアナリティクスへのアクセスと、導入遂行のためのスキルセットを選択する柔軟性をお客様に提供します。

 業界の反応

Telia Carrier のチーフエバンジェリスト、マティアス・フリードストローム(Mattias Fridström)氏は次のように述べています。「マルチレイヤー アーキテクチャの構築と運用は、これまでずっと困難な仕事でした。シリコン、ルーティング システム、標準化された 400G コヒーレント プラガブルオプティクスによる革新的なイノベーションのおかげで、コスト構造の変革と効率性を備えつつ、複雑なレイヤーをよりシンプルで拡張性に優れたアーキテクチャに集約させることができます。Telia Carrier は、Cisco 8000 や NCS 5700 などを活用してこの移行を進めました。その結果、従来よりメンテナンスが容易で、適応が早く、運用コストが低いネットワークを実現できました。通信サービスプロバイダーは、今後積極的に既存のメトロネットワークや長距離ネットワークの移行を進めて行くものと思われます」

Altibox のインフラストラクチャ担当チーフアーキテクト、ピア-エイヴィン・オデガルド(Per-Øyvind Ødegård)氏は次のように述べています。「今日のトラフィックの増加はとどまるところを知りません。そのために、シスコのクラウドネイティブ BNG(cnBNG) ソリューションは真のゲームチェンジャーとなります。エンドユーザの近くに BNG を分散して配置させることで、運用を複雑にすることなくネットワークの膨大な拡張を実現できます。また、CDN のロケーションを現在より分散させることもできるので、エンドユーザ エクスペリエンスを向上させると同時にコアネットワークのトラフィック需要を削減し、経済性を高めることができます。最後に、ユーザプレーンとコントロールプレーンを分離したクラウドネイティブ モデルへの移行により、最終的には有線と5Gの加入者管理を統合するソリューションを使用してアクセスに依存しないサービスの提供が可能になります」

関連リソース:

*Cisco、Cisco Systems、およびCisco Systemsロゴは、Cisco Systems, Inc.またはその関連会社の米国およびその他の一定の国における登録商標または商標です。本書類またはウェブサイトに掲載されているその他の商標はそれぞれの権利者の財産です。「パートナー」または「partner」という用語の使用はCiscoと他社との間のパートナーシップ関係を意味するものではありません。(1502R)

**当資料は、2021年3月31日に発表されたニュースリリースの抄訳です。
URL: https://newsroom.cisco.com/press-release-content?type=webcontent&articleId=2150473

[1] 世界各地のピアリング トラフィック ポイントから抽出されたデータに基づく。
[2] 「Cisco Annual Internet Report 2020」